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『ビフォア・サンセット』「永遠」を生み出し閉じ込めた、奇跡の映画

『ビフォア・サンセット』「永遠」を生み出し閉じ込めた、奇跡の映画

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ジェシーはどちらを選択するのか



 空港へ行く時間が迫るなか、セリーヌのアパルトマンまでやって来た二人。庭では住民たちがパーティーをしているが、そこには参加せず部屋に入っていく。ちなみに、庭にいた年配の夫婦は、ジュリー・デルピーの本物の両親である。


 セリーヌは、ジェシーの求めに応じてギターを手に自作の歌を弾き語る。その歌詞は、あの9年前の夜のことを歌ったものに思える。そして詞にはジェシーの名が出てくる。前作でウィーンにいた即興詩人が、二人のために考えたという詩を披露し、ジェシーが「あらかじめ完成した詩に、僕らの言葉を当てはめただけなんじゃないのか」と邪推していたが、まさに同じ疑問をセリーヌにぶつけると、「当たり前でしょ、あなたのための歌だと思った?」と意地悪な感じに彼女は笑う。




 ジェシーが部屋のプレイヤーで音楽をかけると、中に入っていたジャズシンガーのニーナ・シモンが歌う"Just In Time(ジャスト・イン・タイム)"がかかる。セリーヌは、かつてコンサートで見たというニーナ・シモンのパフォーマンスをおどけて、しかし蠱惑的に真似ながら「ベイビー、飛行機に遅れるわよ」と告げる。ジェシーは「分かってる」と笑い、セリーヌが踊っているカットに移りかわると、その何ともいえない多幸感にあふれた、曲の間奏の瞬間、突然に映画が終わりを迎える。結局、ジェシーはこの後、空港に向かったのか、それともそのまま彼女と過ごすことにしたのか、前作のラストと同様、肝心な部分が語られないままである。



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