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『ビフォア・サンライズ 恋人までの距離』リチャード・リンクレイターが紡ぐ、時間と空間の哲学とは

『ビフォア・サンライズ 恋人までの距離』リチャード・リンクレイターが紡ぐ、時間と空間の哲学とは

※本記事は『ビフォア・サンライズ 恋人までの距離』の物語の核心やラストに触れているため、映画をご覧になってから読むことをお勧めします。


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R.リンクレイター監督、初期の傑作



 クエンティン・タランティーノ監督やケヴィン・スミス監督、ハーモニー・コリン監督などが出現した、90年代アメリカのインディペンデント映画。少しだけさかのぼれば、ガス・ヴァン・サント監督やジム・ジャームッシュ監督らもいるが、このような監督たちが時代の寵児として脚光を浴びたのは、80年代の大手映画会社による大衆娯楽映画が、商業的に先鋭化したことの反動でもあったように感じる。そしてインディーズから名を馳せた彼らとともに、この現象の象徴的存在となっていたのが、リチャード・リンクレイター監督だ。


 すでに、90年代若者の気分をとらえたカルト的名作『バッド・チューニング("Dazed and Confused") 』(93)を撮りあげていたリンクレイター監督が次に手がけたのが、旅先で偶然出会った若い男女が、異国の街に降り立って短い時間をともに過ごすという映画、『ビフォア・サンライズ 恋人までの距離(ディスタンス)』(95)だった。ジャンルに分けてしまえば「恋愛映画」になるだろうが、本作はその魅力だけにとどまらず、意欲的な試みがいくつも見られる、知的で実験的な映画だ。そして、この作品を考えることで、リチャード・リンクレイターが、現代を代表する重要な映像作家であることが明らかになっていくはずだ。




 私は、本作でリンクレイター監督の作品に出会い、映画というものがただの時間つぶしや一時の清涼剤としてだけではなく、真に複雑なものを表現できる奥深さと、一生を費やして考えるほどの価値のある重要なものになり得るという思いを持った。そして後に映画について書くことを始めるきっかけになった作品でもある。このテキストを読んでいるあなたにも、リチャード・リンクレイターを新たに“発見”してもらいたい。そして、映画というものの可能性を知ってほしい。その一心でこれを書いている。



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