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  4. 『ミッション:8ミニッツ』衝撃のループ・ワールドから浮かび上がる、ダンカン・ジョーンズの作家性 ※注!ネタバレ含みます。
『ミッション:8ミニッツ』衝撃のループ・ワールドから浮かび上がる、ダンカン・ジョーンズの作家性 ※注!ネタバレ含みます。

『ミッション:8ミニッツ』衝撃のループ・ワールドから浮かび上がる、ダンカン・ジョーンズの作家性 ※注!ネタバレ含みます。


物語の象徴として登場する「クラウド・ゲート」



 脚本家のベン・リプリーによると、本作で彼は「『恋はデジャ・ブ』(93)や『スライディング・ドア』(98)や『羅生門』(50)のような複数の時間軸や複数の側面が存在する物語を描きたかった」のだという。また、本作を観ながらトニー・スコット監督作『デジャブ』(06)、あるいは小説、実写、アニメ版が共に名高い『時をかける少女』を彷彿する人もいるかもしれない。



 そして、もともとはNYだった舞台をシカゴへ変更した時、作り手たちが是非とも物語に登場させたいと願ったのが実在するモニュメント「クラウド・ゲート」(The Beanとも呼ばれる)だったという。


 ミレニアム・パークにあるこのアートは、ロンドン・オリンピックの「オービット」と呼ばれるモニュメントでも有名な芸術家、アーニッシュ・カプーアが手がけたもの。巨大なそら豆のような形状一面がステンレスで覆われ、人や物、そして空を、角度によって様々な形状に歪めて映し出す。


 ここで、改めて振り返ると、我々は映画の中、「8分間のミッション」が終わるたびに幾度もこのクラウド・ゲートのインサート映像を目にしていたことに気づかされる。これは一体何を意味するのか?


 一つの解釈としては、この物語そのものがクラウド・ゲートに映る様々な「像の歪み」を見つめることでもあったという文脈が成り立つ。と同時に、様々な試行錯誤を繰り返しながらも、最終的には主人公がこのクラウド・ゲートへとたどり着く未来絵図が最初から暗示されていたとも言えるのである。



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