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衝撃のループ・ワールドから浮かび上がる、ダンカン・ジョーンズの作家性『ミッション:8ミニッツ』 ※注!ネタバレ含みます。

衝撃のループ・ワールドから浮かび上がる、ダンカン・ジョーンズの作家性『ミッション:8ミニッツ』 ※注!ネタバレ含みます。


※本記事は、物語の結末に触れていますので、未見の方は映画鑑賞後にお楽しみいただくことをお勧めします。


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逆提案によって実を結んだ画期的なプロジェクト



 『ミッション:8ミニッツ』(11)は、初長編監督作『月に囚われた男』(09)で高い評価を受けたダンカン・ジョーンズがさらなるステップアップを求めて挑んだSFサスペンスである。独立系のプロダクションを使って低予算で撮られた前作とは違い、こちらは正真正銘のハリウッド作品。自らの持ちうる才能をこの巨大なエンターテインメント産業でいかに花開かせることができるのか、その試金石のような作品だったとも言える。


 デヴィッド・ボウイの息子としても知られるジョーンズ監督だが、映画監督としての道行きは決して順風満帆なものではない。デビュー作『月に囚われた男』も紆余曲折があって生まれたものだ。最初に提示した企画(これは長編4作目『MUTE』となって18年にようやく実現。現在Netflixで配信中)をサム・ロックウェルに断られ、「もし、SF映画を作ることがあったら、声をかけてくれ」と言われたのをきっかけに、代わりの企画として一気に同作を書き上げたのだという。



 自分の映画に出演してほしい俳優と会い、自分の情熱を伝え、是非この役を演じてほしいんだと脚本を渡す。最初は断られる。だが、代わりに別の企画が浮上し、結局のところコラボレーションが実現するーーーこの流れは2作目の『ミッション:8ミニッツ』にも共通している。


 当時、前作のプロモーションのために訪れたアメリカで、将来的に一緒に仕事をしたい複数の俳優らと面会を重ねていたジョーンズ。そうやって念願の対面を果たした一人がジェイク・ギレンホールだった。彼も『月に囚われた男』でジョーンズの才能に注目していて、二人は意気投合したという。


 この時にもジョーンズはやっぱり最初に『MUTE』の脚本を見せるのだが、ギレンホールの反応は先のロックウェルと同様に芳しくなく、その代わりにこの企画はどうだ?と逆提案を受ける。それが「Source Code」、つまり邦題『ミッション:8ミニッツ』だったのだ。(*1)ジョーンズにとってはいささか不本意な選択だったかもしれないが、こういったときに自らの企画に固執せず、さっと他の馬に飛び乗れるのがダンカン・ジョーンズのフットワークの軽さなのかもしれない。


 才能というものは自分で感じるよりも、周囲の人の方にこそよく見えていることがある。


 そもそもダンカン・ジョーンズは最初に手がけたショートムービー『Whistle』(02)にしても、ありふれた人間性と最先端のテクノロジーを掛け合わせた斬新なアイディアにこそ光るものがあった。こういった作品で際立っていた「ダンカンらしさ」を見極めた上で、ロックウェルやギレンホールといった経験豊富な俳優たちは「ダンカン、こっちの方が君に合っているよ」と道案内してくれたのかもしれない。


*1参考)

http://collider.com/duncan-jones-interview-source-code-3/



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