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『ゴッドファーザーPARTII』コッポラが脚本に織り込んだ、実際の事件や人物とは

Copyright (C) 1974 by Paramount Pictures and The Coppola Company. All Rights Reserved. Restoration Copyright (C) 2007 by Paramount Pictures Corporation. All Rights Reserved. TM, (R) & Copyright (C) 2014 by Paramount Pictures. All Rights Reserved.

『ゴッドファーザーPARTII』コッポラが脚本に織り込んだ、実際の事件や人物とは


最大の敵ハイマン・ロスのモデルになった実在のギャング



 そして実話ベースの最たるキャラクターが、『PARTII』でマイケルの最大の脅威となるハイマン・ロスだ。ロスは『PARTII』で初登場するユダヤ系の大物ギャングだが、実在したギャング、マイヤー・ランスキーを明確にベースにしているのだ。


 そもそもマフィアはシチリア系しか認めない集団であり、ユダヤ系ポーランド人だったマイヤー・ランスキーは、どれだけ組織に貢献しても正式な構成員にはなれかった。ただし、ヴィトーのモデルの一人とされる大物マフィアのラッキー・ルチアーノとは10代からの親友で、『モブスターズ/青春の群像』(91)ではルチアーノ、ランスキー、バグジー・シーゲル、そしてヴィトーのしゃがれ声のモデルと言われるフランク・コステロという若きチンピラ四人組の青春が描かれていた。作品のテイストは異なるが、『ゴッドファーザーPARTII』の過去パートとも呼応する作品と言える。



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 『ゴッドファーザー』ではシチリア人同士の濃厚な絆が描かれていたが、実際はシチリア人以外を完全に排除していたわけではなかった。特にラッキー・ルチアーノは「マイヤー・ランスキーら非シチリア人を外せ」と要求する古い世代のボスたちを暗殺し、マフィアをビジネスで結びついた巨大シンジケートとして組織化してみせた。ハイマン・ロス(=ランスキー)とヴィトー(=ルチアーノ)が組んで闇ビジネスをしていたという劇中の設定も、ちゃんと現実のマフィア史とリンクしているのである。


 犯罪組織を操るロスが、私生活ではマイアミで質素に暮らしていたり、キューバ政府の顧問として賭博ビジネスに関わったり、イスラエルに帰化しようとしたがアメリカに送還されるエピソードなどもすべてランスキーの実人生を反映させたものだ(ただしランスキーは80歳まで長命している)。


 ロスがマイケルに語る「私たちはUSスティールより大きい」というセリフも、ランスキーの有名な言葉「私たちはジェネラルモーターズより大きい」の引用。『ゴッドファーザー』の物語は基本的にフィクションだが、ロスに関してはマイヤー・ランスキーとほぼ同一であり、ヴィトーに複数名のモデルがいたり、ジョニー・フォンテーンが大まかにフランク・シナトラをモデルにしていたりするのとはレベルが違う。



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 コッポラはヴィトーの若き日のパートにもハイマン・ロスを登場させている。ヴィトー一味はクレメンツァ、テッシオ、ジェンコが中心メンバーとして知られているが、実はしれっと小柄な5人目が映っている。これが若き日のロスである。コッポラはヴィトーとロスの出会いのシーンも撮っていたのだが、完成品からはカットされてしまったため、過去パートでロスに気付くのはいささか難しい。ただ削除シーンを見てみると、ロスの本名が「スチャウスキ」であり、ランスキーの本名「スチャウランスキー」を縮めたネーミングだったことがわかる。さらに「ロス」という別名はユダヤ系ギャングの大先輩アーノルド・ロススタインからいただいたことも明かされている。



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