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20世紀屈指の感動作『タイタニック』のスペクタクルを生んだ前例なき挑戦

(C)2013 Twentieth Century Fox Home Entertainment LLC. All Rights Reserved.

20世紀屈指の感動作『タイタニック』のスペクタクルを生んだ前例なき挑戦


映画史上最大のセット



 タイタニック号の航海と沈没、乗客や乗員たちの数日間をできる限りリアルに再現するため、どのような方法で撮影するか。フォックスから独立したプロデューサーのジョン・ランドーも加わり、さまざまなアイデアが検討された。模型やコンピュータ・グラフィックスも活用するが、キャメロンは1912年にタイムスリップして、あの有名な豪華客船を港から間近に見たり、デッキに居合わせたりしているかのような真実味を求めていた。


 キャメロンたちの結論は、海のそばにほぼ実物大のタイタニック号の外観セットを作るというものだった。場所はロサンゼルスからの近さも考慮され、メキシコ・バハ半島のロサリオというリゾート地に決まった。



(C)2013 Twentieth Century Fox Home Entertainment LLC. All Rights Reserved. 


 撮影の方針がほぼ固まったことで、キャメロンはフォックスとの製作費の交渉に臨む。それまでに8,000万ドルという額を提示していたが、それでは足りないことは明らかだった。キャメロンは監督としての報酬400万ドルを返上し、公開後の興行成績に応じて利益配分を得る契約を提案。1996年5月末、フォックスは1億1,000万ドルで『タイタニック』の製作を正式決定する。この時点ですでに、史上初めて製作費が1億ドルを超えた前作『トゥルーライズ』(94)の予算規模を上回ることが確実になった。


 契約から2週間後、フォックスが買い占めたロサリオの16万平方mの土地で、スタジオ建設の突貫工事が始まる。世界最大の野外タンク、世界最大の屋内タンク、世界で最も背の高いスタジオ、撮影に付随する建物などを、100日間で完成させるのだ。


 船の複製セットは、事前に入手できたタイタニック号の設計図をもとに、全長を27mだけ短くして236mにしたほかは、高さも横幅も原寸通りに建設された。現地の風向きの関係もあり、船はドックに右舷をつける位置で作られたが、キャメロンは史実の通り左舷側をドックにつけた映像を望んだ。そこで、出港シーンで建物や制服などの文字をすべて鏡文字にし、撮影後に映像を反転させるという手間のかかる方法がとられた。



(C)2013 Twentieth Century Fox Home Entertainment LLC. All Rights Reserved. 


 さらに船体の長さ60mの前方部分は、ライザーという巨大な油圧システムの上に組まれ、6度の傾斜がつけられるようになっていた。浸水が始まり、船が傾き始めるシーンを撮影するためだ。



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