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『麗しのサブリナ』ファンション・アイコンとしてのオードリー・ヘプバーンを生んだ、ジバンシィとの出会い
作品を通じた多くの人々との邂逅
オードリー・ヘプバーンは運がよかった。彼女は作品を通じて様々な人物との出会いを果たしている。彼女が世界的女優へと飛躍できたのは、彼女自身の実力はもちろんのことだが、そうした人々との出会いというのも、大きな理由のひとつに他ならない。
『ローマの休日』(53)での名声獲得以前に、オードリーは『モンテカルロへ行こう』(52)の撮影のため、モナコ有数の高級ホテル、オテル・ド・パリに滞在していた。オードリーは端役だったので、撮影はすぐに終わる予定だった。しかし彼女はここで人生を大きく変える、運命的な出会いを果たしている。フランス人女流作家シドニー=ガブリエル・コレットとの出会いだ。
『麗しのサブリナ』Copyright (C)1954 by Paramount Pictures. All Rights Reserved. TM, (R) & Copyright (C) 2013 by Paramount Pictures. All Rights Reserved.
この当時のコレット女史は、自身が書いたブロードウェイ戯曲「Gigi(ジジ)」の主演女優さがしに躍起になっていた。ジジに相応しい女優はそう簡単には見つからず、ただ時間だけが無駄に過ぎていくだけだった。そんな中、オードリーとコレット女史は偶然にも、あるいは必然とよべるような、すべてを変える出会いを迎える。
オテル・ド・パリのダイニングルームで、ヘプバーンの姿を一目見たコレット女史は、おもわず「わたしのジジがいたわ!」と声高に叫んだという。この出会いの後すぐに、オードリーはブロードウェイ舞台劇「ジジ」のタイトルロールで、女優としての初の大役を獲得したのである。
<参考>
「オードリー・へプバーンとティファニーで朝食を - オードリーが創った、自由に生きる女性像」(中央公論新社)サム・ワッソン(著)/清水晶子(訳)
「スクリーンの妖精 オードリー・ヘップバーン」(シンコーミュージック)ジェリー・バーミリー(著)/河村美紀(訳)
1993年5月生まれ、北海道札幌市出身。ライター、編集者。2016年にライター業をスタートし、現在はコラム、映画評などを様々なメディアに寄稿。作り手のメッセージを俯瞰的に読み取ることで、その作品本来の意図を鋭く分析、解説する。執筆媒体は「THE RIVER」「IGN Japan」「リアルサウンド映画部」など。得意分野はアクション、ファンタジー。
『麗しのサブリナ』
価格:1,886円+税
発売元:NBCユニバーサル・エンターテイメント
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※2019年7月の情報です。