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『麗しのサブリナ』ファンション・アイコンとしてのオードリー・ヘプバーンを生んだ、ジバンシィとの出会い

『麗しのサブリナ』ファンション・アイコンとしてのオードリー・ヘプバーンを生んだ、ジバンシィとの出会い

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難航した脚本製作



 『七年目の浮気』(55)の製作準備中だったビリー・ワイルダー監督は、中断を余儀なくされる。彼のもとに、あらたな仕事が舞い込んだからだ。サミュエル・テイラーの戯曲「Sabrina Fair(サブリナ・フェア)」を原作とした、ロマンティック・コメディ映画のメガホンを託されたのだ。これが『麗しのサブリナ』(54)のはじまりだった。


 脚本チームにはワイルダーのほかに、脚本家のアーネスト・レーマン、原作者のサミュエル・テイラーが参加していた。プロジェクトは順調に進んでいるように見えたが、まったく違ったようだ。自分の戯曲に加えられた一部の変更に納得できず、テイラーが早々に離脱してしまったのだ(その一方で、同時期には舞台版「サブリナ・フェア」のリハーサルが予定されていた。テイラーは舞台の方に参加するため、やむなく離脱したともいわれている)。



 残されたふたりは岐路に立たされていた。原作者が去ったうえに、脚本にはセクシュアリティな問題までもが浮上していたのだ。あの清楚なオードリー・ヘプバーン演じるサブリナというキャラクターに、よもや性的なシナリオが絡んでくるからだ。ヘプバーンの問題以前に、この当時の検閲制度は度が越したほどに厳しかった。MPAA(アメリカ映画協会)による検閲では、性的シーンはご法度だった。当時の映画製作者にとって、この検閲をうまくかいくぐることが最初の大仕事だったのだ。


 田舎町の無垢な少女を、成熟した大人の女性へと進化させるには、そういうふうな性的シーンなしでどうやって観せればいいのか。清純派から成熟派への心身的なチェンジを体現するには、どうすればいいか。



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 ワイルダー監督は考えた。考え付いたのが、サブリナの服装の変化だった。ジャンパースカート姿の貞操を守る女の子から、カクテルドレスを着飾る美しい女性へと、服飾の変化でもって、性的な成長をほのめかしたのだ。あとはデザイナーを探すだけだった。サブリナの成長を服装だけで表現できうる、敏腕デザイナーを。



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