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『事故物件 恐い間取り』怖さは時代で変化する――中田秀夫監督と考える、現代ホラー論【Director's Interview Vol.74】

『事故物件 恐い間取り』怖さは時代で変化する――中田秀夫監督と考える、現代ホラー論【Director's Interview Vol.74】

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伝統的な怪談の象徴『雨月物語』



Q:これまであった和の感覚と、洋の感覚をミックスさせたホラー作りというのは、面白いですね。


中田:やっぱり、和の感覚というのはどうしても入ってきちゃうんですよね。だからこそ、『IT/イット “それ”が見えたら、終わり。』だったり、海外の作品の要素を意識的に入れたわけです。


例えば、直に参考にしたわけじゃないけど『雨月物語』(53)の要素は出ているな、と僕自身感じますしね。『事故物件 恐い間取り』の劇中で高田純次さんが演じたキャラクターも、『雨月物語』で主人公に「死相が出ている」と告げる行者から来ているんです。


Q:そうだったんですね!


中田:脚本家にも、『雨月物語』の例を出しつつ、面白いだけじゃない人物にしてほしいとはお願いしました。


日本の伝統的な怪談の要素は、日本でホラーを作るうえで、物語の人間関係やストーリーの中核にあるべきだと思っています。亀梨くんが演じた主人公の精神性も、どこか『雨月物語』に近いものがありますしね。


やはりどこかで、日本らしさとは精神的につながっているんだと思います。



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監督:中田秀夫

1961年生まれ。岡山県出身。東京大学卒業後、にっかつ撮影所に入社。1996年に『女優霊』で映画監督デビューを果たし、その後『リング』(98)、『リング2』(99)で日本映画界にホラーブームを巻き起こす。その後ハリウッドに招かれ、『ザ・リング2』(05)を自ら監督する。近年の監督作品として『クロユリ団地』(13)、『MONSTERZ モンスターズ』(14)、『劇場霊』(15)、『終わった人』(18)、『スマホを落としただけなのに』(18)、『貞子』(19)、『スマホを落としただけなのに 囚われの殺人鬼』(20)がある。



取材・文:SYO

1987年生。東京学芸大学卒業後、映画雑誌編集プロダクション・映画情報サイト勤務を経て映画ライター/編集者に。インタビュー・レビュー・コラム・イベント出演・推薦コメント等、幅広く手がける。「CINEMORE」「FRIDAYデジタル」「Fan's Voice」「映画.com」「シネマカフェ」「BRUTUS」「DVD&動画配信でーた」等に寄稿。Twitter「syocinema





『事故物件 恐い間取り』

2020年8月28日(金)全国公開

(c)2020「事故物件 恐い間取り」製作委員会

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