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『呪怨:呪いの家』ついに動き出す『呪怨』サーガの夜明け

『呪怨:呪いの家』ついに動き出す『呪怨』サーガの夜明け


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『呪怨』の良質なオマージュにして、新たな闇を形成する



 2020年7月3日よりNetflixで配信される『呪怨:呪いの家』は、同フランチャイズにおける初の配信コンテンツであり、遠大な連続性を持つドラマシリーズだ。


「『呪怨』は実際に起きた出来事を参考にして作られた。だが実際に起きた出来事は、映画よりもはるかに恐ろしいものだった」


 と言う本作の語り部、心霊研究家の小田島(荒川良々)の回想から始まるこのオリジナルストーリーは、あの呪いの家の起源に迫るという核心的な性質を持ち、観る者を恐怖の深底にゆっくりと沈めていく。それはまさに『真説・呪怨』と冠しても通りのいい内容だ。配信コンテンツの特性を活かした残酷描写への踏み込みも深く、規制に息苦しさを覚えるホラー作品のフォロワーにはたまらないご馳走といえるだろう。



 そもそも『呪怨』シリーズにおける「恐怖」の質感とは何か? それは取り殺される者が何らかの落ち度や因果応報によって犠牲になるのではなく、怨念の怪物が呪いの家に近づく者を手当たり次第に憑き殺していく不規則性が相当にヘヴィだ。その混沌と無秩序こそが、本シリーズが持つ恐ろしさの最たるものだろう。清水崇が監督したビデオ映画『呪怨』(00)は、まるで恐怖話が仄聞を重ねて異形化したように、こうした性質を持ち、変質的な恐怖をゼロ年代の初頭に放ってきた。


 そしてホラー映画の背後に宗教観や死生観が強く反映される海外において、同シリーズは『リング』(98)と共にJホラーの旗艦として、その得体の知れない恐ろしさをもって震え上がらせてきたのだ。


 今回の『呪怨:呪いの家』は、そんなシリーズの原点に戻るかのようなマルチキャスト方式をとり(その顔ぶれも極めて豪華だ)、不特定多数の人物が呪いの家と関わりをもっていき、凄惨な死の現場を目の当たりにしていく語り口を有す。これは長いスパンでストーリーを語ることができるドラマシリーズならではの醍醐味だが、同時にそれ自体が初期『呪怨』の良質なオマージュといっていい。


 しかし『呪怨:呪いの家』は、ただ積み重ねられた遺産のうえにあぐらをかくものではない。派生作品やスピンオフとも違う、いわゆる前史的な位置付けを持つ大胆な企画にして、そこには未知の領域に入ろうとする独自性があり、多分に野心的なクリエイティビティを感じることができる。



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