進化のために選んだ、“挑戦”が詰まった現場
Q:メジャー映画を「エンターテインメント」として撮るにあたり、今回はドラマの盛り上がりとしても、映像面でも、中野監督のこれまでの作品と比較して、色々な挑戦があったと思います。
中野:僕はどちらかというとどっしり構えて撮るタイプなのですが、今回のカメラマンは結構動くタイプの方だったので、新鮮でしたね。
そういった新しい挑戦も、この作品において自分がやってみたいことではありました。今現在でも、初めての“体験”をさせてもらっている感じがしますね。この規模での上映も、初めてですし。
プロモーションにしても、宣伝スタッフの皆さんの「人に見せよう!」とする力がすごい。Twitterで毎日必死にリツイートしています(笑)。
Q:(笑)。その渦中にいるいま、どんなお気持ちですか?
中野:上映が始まってお客さんからどんな反応が来るのか?がないとわからない部分もあって、その部分も含めて2ヶ月後くらいに自分の中で整理ができる気がします。
今回は初めての経験をたくさんできて、面白かったし、苦しかったこともやっぱりあって、やれやれと思うところもあったし(苦笑)、これはやっぱりすごいな、と思えることもあり……。まだまだ途中段階で、全然追いつけてないんですよね。
Q:率直に教えていただき、ありがとうございます。ちなみに、ご自身の個性と、新しいことに取り組みたい気持ちは、ケンカしないものなんでしょうか。自分の良さが消えてしまうんじゃないか……という葛藤も付きまとうのかな、と思ったのですが。
中野:おっしゃる通り、葛藤やくじけてしまいそうになることはありますよ。でも、新しい経験をしていかないと、僕自身いい方向にも変われないから。
その都度その都度、やりづらさや不安はありつつ、「これも経験だからやってみよう」と乗り越えていきましたね。
映画学校時代に先生から言われた言葉で唯一大切にしているものがあって、「映画には不可能がないんだ」というもの。それは出来上がったものもそうだし、作る過程でもそうです。
現場であきらめそうになったときは、この言葉を思い出していました。