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  3. 『ゾッキ』監督・竹中直人×原作・大橋裕之 異色の原作と3人の監督の世界は、映画内でいかにして融合したか【Director's Interview Vol.113】
『ゾッキ』監督・竹中直人×原作・大橋裕之 異色の原作と3人の監督の世界は、映画内でいかにして融合したか【Director's Interview Vol.113】

『ゾッキ』監督・竹中直人×原作・大橋裕之 異色の原作と3人の監督の世界は、映画内でいかにして融合したか【Director's Interview Vol.113】

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松井玲奈が特殊メイクで怪演



Q:竹中監督のパート「父」は、少年と父との奇妙な思い出にまつわる話ですが、演出的に苦労されたことはありますか?


竹中:それはないです。倉持さんの脚本が素晴らしいので悩むことはなかった。苦労なんて全くないです。撮影中は本当に楽しすぎて…。大橋さんの世界を映画にするんだ!その思いで突き進んで行きましたからね。ぼくは現場では台本さえ持ってなかったですもん。監督が撮影現場で台本持っているなんてダサいです。脚本は全て頭の中に入れておくべきです(笑)現場では俳優を見つめていれば良いと思っています。だから以前の監督作から台本を持たなくなりました。


Q:父を演じる竹原ピストルさんがすごくハマっていました。ただ原作のキャラクターのビジュアルとはちょっとイメージが違いますね。


竹中:原作に全て近づけるやり方もありますが原作と映画は別、という考え方もあると思います。ある日居酒屋で飲んでいると、竹原ピストルさんの《例えばヒロお前がそうだったように》が流れてきて…!「そうだっ!ピストルだ!ピストルしかいない!」ってなったんです。


Q:父と少年が遭遇する幽霊のような女(松井玲奈)は、白塗りのビジュアルが強烈でした。その動きを、造形物を使ったカット割りで表現していたのが非常に効果的ですね。


竹中:以前出演したドラマで、特殊メイキャップアーティストの快歩(かいほ)くんという青年と出会って仲良くなったんです。それで彼に造形をお願いしました。



(c) 2020「ゾッキ」製作委員会


Q:松井玲奈さんがあの特殊メイクで出演されたのは驚きました。


竹中:松井さんの身体の「線」ですね。松井さんの「線」が、大橋さんの描く白い幽霊にぴったりだと思ったんです。松井玲奈さんしか浮かばなかったので、「断られたらどうしよう…」っていう不安はありました。特殊メイクのための型取りも大変ですからね。1時間以上動かないで顔型を取らなきゃいけない。ほんとうに玲奈ちゃん、よく頑張ってくれました。


Q:大橋先生、あの役にまさか松井玲奈さんがくるとは思ってなかったですよね。


大橋:まったく思ってないです(笑)


Q:自作のキャラクターを演じるキャストの皆さんはいかがでしたか?


大橋:出演者が「ハマってる」と言いますか、そういうのが不思議でしたね。お名前とかだけ見ると、ちょっと豪華すぎる方たちなんですが、映画として見ると、溶け込んでいて、しかも「強い」というか、みなさん面白かったですね。




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