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日本映画が生き残るためには 映画はこうして作られる! 〜メジャー映画と作家性〜イベントレポート Vol.3(全3回)【CINEMORE ACADEMY Vol.21】

日本映画が生き残るためには 映画はこうして作られる! 〜メジャー映画と作家性〜イベントレポート Vol.3(全3回)【CINEMORE ACADEMY Vol.21】

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観客と作り手のコミュニケーション



香田:このライブをご覧になっている方から、質問やコメントが来ているので、ここで紹介させてください。 「面白い脚本を書こうとしているのですが、役者は覚えられないからセリフは3行までにしなさいという、変な縛りを講師につけられています。どうすればいいでしょうか。」


本広:映画では、役者がものすごく集中してセリフを覚えて現場に入ってくるので、実際にはそういう縛りはないですね。連ドラとかだと、あまりに長いと覚えてこないということがありますけどね。


内田:色んな映画や映像の学校がありますが、講師の個人的な見解の教え方はあまりしないほうが良いんじゃないかと思います。ワールドスタンダードな考え方が映画や映像にはあるので、それをもっと教えた方がいい。皆自分の演出方法をそのまま教えるけど、別に教え子はそうじゃないかもしれない。長台詞でもなんでも書けばいい。それを温かい目で講師の方は見れば良いんじゃないですかね。


香田:ありがとうございます。では次の質問です。「今気になっている若手監督はいますか?」


行定:いっぱいいますよ。1人とか2人じゃないです。くまもと復興映画祭をずっとやっているのですが、基本はインディペンデント映画をセレクトしているんです。映画祭をプログラミングして解説するだけではなく、観客と作り手とコミュニケーションさせることで、みんな何が面白いかということを発見するんですよね。観客が新しい作家や作り手を知ることは、次の世代に繋がる。この映画祭に毎年来ている3〜400人の観客は、間違いなく毎年スキルアップしている。映画祭に来た監督たちの前の作品を追っかけてくるし、若手だったら次の新作を待っている。


今はSNSもあるし、観客が作品や監督を見つけ出して声を上げるという場が確実に存在します。批評家やライターさんだけではなく、自分たちでその作品や監督を拡げていく。また、その中にSYOさんのような人たちがいると、そこにシンパシーを感じたりして、より理解が深まっていく。


そういう意味では語られる若手というのは沢山いますよ。次の作品を早く見たいと思われる人たち。僕の映画祭に選んでいる人たちはそういう人たちですね。


香田:日本でも、監督の名前で映画を観るようになってきている気がしますね。実際に今日のイベントもそうで、みなさん四人の監督の名前でこの話を聞きに来てくれている。昔はスピルバーグやタランティーノ、スコセッシなど、海外の監督のネームバリューで映画を観に行っていたことが多かったですが、最近では「藤井監督の新作があるから観に行こう」といった動きも、多くなってきていると感じます。


SYO:色んな媒体で作品が観られるというのも一つ大きいのかなと思っています。NetflixやABEMAもそうだし、行定さんも最初の緊急事態宣言の時にYouTubeで作品を発表されていましたよね。作り手を知る機会というのは、確実に広がっていると思います。




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