韓国で飲んだウイスキーの味
Q:スタッフの方々とは、ふだん一緒にはあまり飲まないんですか?
西川:いえいえ、飲みますよ。ただ地方で合宿ロケだったりすると、なんとなく監督は考え事があるだろうし、とスタッフたちはそっとしておいてくれる雰囲気があるんです。こっちも若いスタッフたちが楽しそうにわいわいやってるところに監督が入って気を遣わせるのは悪いしね。誘ってくれないかぎり、監督ってなかなかスタッフと一緒には飲みにいけないよね?
山下:それはあります。一対一ならいけるけど。
西川:「よーし、みんな行くぞー!」とはできないよね。昔の監督ならあったかもしれないけど(笑)。
山下:だからなんか寂しいんですよね。最近はもう僕は「寂しい」って素直に言っちゃいますけど(笑)。そういえば、2017年に僕、向井(康介)、近藤(龍人)、山本(剛史)の四人でドキュメンタリーの撮影をしに韓国に行ったんですけど、夜はいつもホテルの下のコンビニでウイスキーのボトルと氷と炭酸水を買って、部屋で飲んでました。その1週間はすごく楽しかった。
山下敦弘監督
その4年位前にも、韓国の仁川でウイスキーを飲んだんですよね。そのときは僕と井筒和幸監督がフィルムコミッションのツアーに呼んでもらったんですけど、夜二人で飯食ったあと、井筒さんに連れられてかっこいいバーでウイスキーのボトルを頼んで飲みましたね。そこでさんざん飲んだあと「軍人鍋が食べたい」って井筒さんが言い出して、夜中に何軒もまわったけど結局どこもあいてなくてとぼとぼホテルに帰りました(笑)。あの韓国で飲んだウイスキーはよく覚えてます。
西川:それは濃厚な夜ですね。
Q:二回も韓国でウイスキーを飲んだのは、何か理由があったんでしょうか?
山下:韓国でご飯を食べるところに行くとだいたいビールか韓国焼酎なんですよ。で、その後何か飲むならまあウイスキーかなって。コンビニにいけばウイスキーは必ず売ってたし。
西川:海外に行ったときは、ウイスキーならまず間違いないって安心感はあるよね。どこの国でも知ってる銘柄が必ずいくつかは置いてあるし。
山下:そうそう、これなら大丈夫だっていう。