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西川美和と山下敦弘、二人の監督が語る「映画とウイスキー」後編 Love Cinema. Love Whisky.

西川美和と山下敦弘、二人の監督が語る「映画とウイスキー」後編 Love Cinema. Love Whisky.

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映画とウイスキーは、どうしてこれほど相性がいいのだろう。そんな映画とウイスキーの不思議な関係についてもっと探ってみたく、西川美和監督、山下敦弘監督をお招きし、ウイスキーを片手にお話をうかがった。 今回は前編に続き、後編をお届けします。


前編はこちらから


Index


みんなで飲むならサントリーオールドか角瓶



Q:お二人が自分の映画のなかでウイスキーを飲ませるとしたら、どういうシチュエーションで出すお酒でしょうか。


西川:客観的に見ると、山下さんの映画ってウイスキーがすごく合う気がする。


山下:そうですか? たしかに飲み屋のシーンが多い映画だとはよく言われます。あとは喫煙シーンも多い。それは怒られるところなんですけど(笑)。でも『苦役列車』(12)では安い酒場ばっかりだし、ウイスキーの似合うバーとかはそんなにないかも。ああでもスナックはよく出てくるかな。


西川:サントリーオールドをみんなで飲む、みたいなシーンが山下さんの映画はすごく合うんじゃないですか。


山下:ああ、オールドはいいですね。


Q:ウイスキーは別に高級なお酒にかぎらないですもんね。


西川:ええ、そうではないと思いますよ。学生時代から私も飲んできましたから。外国映画のなかで見るウイスキーの景色ってたしかにかっこいいし憧れるけど、それとはまた別の、私たちなりのウイスキーとの付き合い方はして来たと思うんです。それこそ氷を買ってきてみんなでウイスキーを一瓶開けていくような光景なんて、私たちの生活のなかに自然と馴染んでるじゃないですか。


山下:みんなでわいわい飲むならやっぱり角瓶かな。僕はふだん家でひとりで飲むときはだいたいビールか焼酎なんですけど、地方ロケに行ったりすると、コンビニで売ってる小瓶のウイスキーを買って宿でちびちび飲むのが妙に楽しいんです。ひとりでハイボールつくって飲んで。


西川:そういうとき、グラスは何を使うの?



西川美和監督


山下:ホテルにある小さいビールグラスで。だからすぐなくなっちゃうんだけど(笑)。自主映画をやってる頃は、脚本の向井康介と撮影の近藤龍人と地方に撮影に行くと、撮影から宿に帰ってから二人が畳の上でよくウイスキーを飲んでましたね。当時の僕はほとんどウイスキーを飲めなかったし、こいつら疲れてるのに何やってんだ、なんて呆れてたんですけど、今思うとどっかで羨ましがってた気がする。当時向井は照明技師だったから、現場に入ると僕は監督で二人は技師チーム。どこか断絶した感じがあったうえに宿でも二人が楽しそうに飲んでるから、きっと寂しかったんでしょうね。


西川:監督と技術パートとの間にはどうしても壁がありますよね。現場に入ると、監督はひとりで孤独にがんばりなさいって言われてる雰囲気があるから。


山下:「みんなで飲もうよ」って言えるタイプでもなかったし。今回、ウイスキーと映画ってテーマで対談の企画をいただいたときにぱっと思い浮かんだ風景ってまさにあの二人の風景なんです。バーカウンターで渋く飲んでるより、畳にあぐらかいて、湯呑みとかでウイスキーを飲んでるような。


西川:それってもう山下さんの映画のワンシーンみたい。




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