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西川美和と山下敦弘、二人の監督が語る「映画とウイスキー」前編 Love Cinema. Love Whisky.

西川美和と山下敦弘、二人の監督が語る「映画とウイスキー」前編 Love Cinema. Love Whisky.

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映画とウイスキーは、どうしてこれほど相性がいいのだろう。古今東西を問わず、これまでたくさんの映画で、この琥珀色の飲み物が登場してきた。印象的なウイスキーの登場シーン、ウイスキーの似合う俳優やシチュエーション、映画を見ていて思わず真似したくなるかっこいいウイスキーの飲み方……、語り出せば時間はあっというまに過ぎていく。そんな映画とウイスキーの不思議な関係についてもっと探ってみたく、西川美和監督、山下敦弘監督をお招きし、ウイスキーを片手にお話をうかがった。 前後編に分けてお届けします。まずは前編から。


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ウイスキーが登場する『リアリズムの宿』と『すばらしき世界』



Q:お二人ともウイスキーがお好きだとうかがっていますが、普段からよく飲まれるんでしょうか。


西川:詳しくはないんですけど、よく飲みますよ。


山下:家にウイスキーって置いてあります?


西川:ありますね。


山下:そうなんだ。僕は家に常備してるほどじゃないんですけど、撮影中とか脚本を書くとき、ホテルの部屋で一人で飲むことが多いです。この間も3日間だけ地方に行ったんですけど、ちっちゃいボトルと氷と炭酸水を買って、ホテルの部屋で毎晩飲んでました。それがなんだか楽しかったですね。



山下敦弘監督


Q:山下監督の『リアリズムの宿』(04)でも、宿にウイスキーの小瓶を持ち込んで主人公たちが飲もうとするシーンがありましたよね。


山下:そうそう、まさにあの感じでした。あの場面は元々原作にあったエピソードなんです。原作でもウイスキーだったのか、脚本の段階でウイスキーに変えたのかは、ちょっと定かじゃないですけど。脚本家の向井(康介)が酒好きでウイスキーもよく飲んでたから、若い二人が持っていくならこのくらいの小さな瓶かなって感じで選んだのかもしれない。その当時、僕はあんまりお酒を飲まなかったんですけど。


西川:え、そうだったの?


山下:嫌いってわけじゃないけど、先輩たちに飲まされる文化もあったから苦手意識があって。でも向井は学生時代からウイスキーが好きでよく飲んでて、気づいたら僕も酒好きになってた(笑)。自作のなかでは『ハード・コア』(18)でもウイスキーの場面を撮りました。主人公が、バーでキープしてるウイスキーのボトルを頼むシーン。これは原作にあったのをそのまま生かしました。


西川:私がウイスキーを登場させたのは、最新作の『すばらしき世界』(20)。役所広司さん演じる主人公が、東京での生活がうまくいかなくて、昔兄弟分だった組長(白竜)がいる北九州に吸い寄せられるようにして向かうんだけど、迎えにきた舎弟が運転する高級車の後部座席でウイスキーを出されるんです。飲み方はソーダ割りだったかな。車の振動でグラスのなかの氷がくるっと回るカットを撮ったのをよく覚えてます。ガラスのデキャンタに入ったウイスキーに、おつまみとグラスが並んでる。本当はもう落ちぶれてるんだけど、まだまだいい暮らしをしてるんだ、最上級のおもてなしをできるんだ、と親分が見栄を張るアイコンのような小道具としてね。


山下:やっぱりウイスキーってかっこいい大人の飲み物ってイメージがありますよね。




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