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『わたし達はおとな』加藤拓也監督 無意識に観客の存在を意識しているカメラの役割を一度再定義した【Director’s Interview Vol.214】

『わたし達はおとな』加藤拓也監督 無意識に観客の存在を意識しているカメラの役割を一度再定義した【Director’s Interview Vol.214】

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話題のテレビドラマ「きれいのくに」(21年/NHK)などの脚本を手掛け、演劇界と映像界の両方で活躍する若き演出家・劇作家、加藤拓也。彼が監督・脚本を手掛けた長編映画『わたし達はおとな』が公開される。


若い恋人たちの日常を圧倒的なリアリティで描き出す本作だが、日常を描きつつも『わたし達はおとな』というタイトルの意味が徐々に浮き彫りとなっていく。その演出手腕には驚くばかりだ。


加藤監督はどのように本作を作り上げたのか? 話を伺った。



『わたし達はおとな』あらすじ

大学でデザインの勉強をしている優実(木竜麻生)には、演劇サークルに所属する直哉(藤原季節)という恋人がいるが、ある日、自分が妊娠していることに気付く。悩みながらも優実は直哉に妊娠と、ある事実を告白する。直哉は将来自分の劇団を持ちたいと願っていた。現実を受け入れようとすればするほどふたりの想いや考えはすれ違っていく…。


Index


キャラクターを作らない



Q:映画を観た後では『わたし達はおとな』というタイトルそのものが浮かび上がってくる気がします。タイトルに込めた想いをお聞かせください。


加藤:若い恋人たちを描いてくださいと依頼があって作った作品ですが、タイトルは二転三転しました。彼らを形容するには丁度いい皮肉に着地したと思っています。


Q:同じく、ポスター自体も映画タイトルをうまく表現していると思いました。ポスター撮影なども監修されたのですか?


加藤:そうですね。僕が好きなカメラマンさんにお願いしました。じゃれてるようにも見えるし、ちょっと暴力的にも見えるようなところがいいなと思い、この写真を選びました。



『わたし達はおとな』©2022「わたし達はおとな」製作委員会


Q:映画では、キャラクターと台詞のリアリティがすごいですが、どのようにキャラクターを作り、どのようにセリフを紡がせているのでしょうか。


加藤:側面だけをピックアップしたキャラクターを作らないです。「ある側面」にだけフォーカスしてしまうことになるので、そうならないように作っています。


Q:脚本は全体プロットを決めてから書かれるのでしょうか?それともあえて決めずに登場人物のセリフで展開を考えられるのでしょうか。

 

加藤:一応、全体は先に作っちゃいますが、でもどんな人かセリフなども一緒に作るので、結局は全部が同時並行で進んでいきますね。


Q:今回の脚本執筆はどれくらいの日数がかかりましたか?


加藤:初稿は3ヶ月くらいだったと思いますが、そこから直していくのにも時間が掛かりました。




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