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『裸足で鳴らしてみせろ』工藤梨穂監督 冒険の映画を撮り続けたい【Director’s Interview Vol.229】

『裸足で鳴らしてみせろ』工藤梨穂監督 冒険の映画を撮り続けたい【Director’s Interview Vol.229】

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思い通りのラストシーン



Q:本作はご自身で手掛けられたオリジナル脚本で、感情の機微を捉えた繊細な部分を内包した物語となっています。そのニュアンスをスタッフやキャストにどう伝えられましたか?また、完成した映画は当初思い描いた通りの内容になりましたか? 

 

工藤:主演俳優の佐々木詩音さんは大学の同級生で『オーファンズ・ブルース』も出てくれています。彼は私が考えていることを理解して意思を汲んでくれるんです。共演の諏訪珠理さんは「槙ってこういう人だよね」と、自分なりに脚本から読みとってくれることが多かったですね。スタッフ、特に美術部や衣装部の中には、大学時代の同級生や先輩、後輩もいてくれてたので、私の好みや意図はなんとなく分かってくれている感じでした。


ほかのスタッフさんは初めての方が多かったのですが、撮影の佐々木さんをはじめ皆さん脚本の核の部分を汲み取ってくれる方々でした。特にこの映画の制作における佐々木さんの力は結構大きかったなと改めて思います。あの方は監督の考えをすごく尊重していて、私の意図を聞いてくれた上で、「こうしたらもっといいかも」とか「こういう感じですか」と参考映像を持ってきてくれたりもしました。それに助けられた部分はかなりあると思いますね。



『裸足で鳴らしてみせろ』(C)2021 PFFパートナーズ(ぴあ、ホリプロ、日活)/一般社団法人PFF


完成した映画に関していうと、『オーファンズ・ブルース』のときは先行して画をイメージしていた部分もあったのですが、この作品は脚本を書いているときから未知な部分があって「どんな画になるんだろう」とどうなっていくか分からないところもありました。実際に完成した映画は「こういうことなんだよな」という納得の作品になったと思います。


Q:この映画は、ラストシーンがまず思い浮かんで、それをどうしても映画にしたかったと聞きましたが、そこの部分はいかがでしたか? 


工藤:編集で繋いで観た時、「まさにこれ!!」という感じでしたね。自分が思っていた以上の画になったなと。ラストシーンはもちろん映したかったそのものになりましたが、ラストカットはほかで観ることの出来ないこの映画だけの光景なんじゃないかと思っています。


Q:映画のタイトル『裸足で鳴らしてみせろ』というセリフが劇中にも出てきます。タイトルの由来を教えてください。


工藤:タイトルは特に決めずに脚本を書いていたのですが、格闘と音を象徴するようなタイトルにしたいとは漠然と思っていました。そのうちに、『俺たちに明日はない』(67)みたいな体言止めではないものや『明日に向かって撃て!』(69)、『復讐は俺に任せろ』(53)のような命令形のタイトルに惹かれました。この作品もそういう無骨な渋さを持ったタイトルにしたいという思いもあり、それで「裸足」と「鳴らす」を組合せた命令形にしたんです。「裸足」のモチーフはそこからなんですよね。なんか「裸足」って言葉の響きとしても映像的なモチーフとしてもいいなと思い、映画の中に裸足を盛り込むことを考えました。それでセリフもタイトルを決めた後で入れましたね。





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