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『異動辞令は音楽隊!』内田英治監督 役者たちのプロフェッショナルな仕事に感動【Director’s Interview Vol.233】

©2022「異動辞令は音楽隊!」製作委員会

『異動辞令は音楽隊!』内田英治監督 役者たちのプロフェッショナルな仕事に感動【Director’s Interview Vol.233】

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時代の変化に対する心情



Q:堅物の鬼刑事が音楽隊にいく。というエンターテインメントな設定を中心に、コンプライアンスや高齢化社会、組織人事など、様々な社会問題が何層にもわたって非常にうまく織り込まれています。脚本には相当時間をかけられたのでしょうか?また、こういった問題を織り込んだ意図を教えてください。

 

内田:脚本自体はかなり稿を重ねましたが、最終的には一周して初稿に戻った感じでした。結局は最初に考えた内容に戻るものなんだなと、最近気付きましたね。また以前は、社会問題を意識的に織り込むようにしていましたが、今は逆にそれが出ないようフラットに考えることにしています。もちろん自然と出てきちゃうことはあります。自分が普段思っていることは結局セリフに出ちゃうんです。でもそうやって自然と出てくるぐらいがちょうどいいですね。そこがオリジナルの良さでもあるかな。



『異動辞令は音楽隊!』©2022「異動辞令は音楽隊!」製作委員会


Q:映画に出てきたコンプライアンスや組織人事に関しては、会社に所属してる人間からするとすごくよく分かります。その辺はリサーチされたのでしょうか。


内田:今回は警察の話なので、本職の刑事さんに何人か取材させてもらいました。話を聞いていると、やっぱり一昔前と今は全然違うらしいです。警察官って20万人くらいいるのですが、それほどの巨大組織が変革期に差し掛かったとき、彼らの心情はどうなっているのか?そこはすごく興味がありました。だから組織というよりも彼らの心情の方に自分の興味が傾いていった気がしますね。


Q:阿部寛さんの演じる成瀬刑事の年齢設定は55歳。急激な社会の変化への戸惑いは、世の中の多くの大人が感じていると思います。


内田:撮影現場でもありますよ。若いスタッフは紙の台本を全く見ないんです。代わりにiPadで確認している。それで自分もiPadを買ってみましたが、全く使わないですね(笑)。「iPadの方が便利だよ」って皆に言われるのですが、やっぱり紙の台本にこだわっちゃう。そういう小さなこと一つ取っても、色々と思うところがある人たちは沢山いるんだろうなと思いますね。





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