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『Zola ゾラ』ジャニクサ・ブラヴォー監督 ポップな表現に込めた意図とは【Director’s Interview Vol.235】

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『Zola ゾラ』ジャニクサ・ブラヴォー監督 ポップな表現に込めた意図とは【Director’s Interview Vol.235】

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ポップな表現に込めたもの



Q:途中で挿入される音楽やツイート音などが、危機的な状況とは対照的に明るく入ってきます。全体的に見せ方もポップですが、その意図があれば教えてください。


ブラヴォー:当時のゾラは19歳で、まだまだ「女の子」で「大人の女性」ではなかった。自分の19歳の頃を思い出してもやっぱりまだ大人じゃなかったし、世界の全てのことを知ってるつもりでいても、そもそも脳がまだ成熟していないんです。撮影当時の私は34〜35歳でしたが、もしそのときゾラのように「ロードトリップに行くよ」と言われたら、時間や場所などの詳細を普通に質問すると思います。でも19歳のときは「わかった、行こう!」と質問もせずにパッと行けてしまう。そういった若さゆえのルーズさを表現したかった。音楽もその感じに合わせましたし、ある意味「少女の視点」を描こうとしたので、結果ポップな見せ方になりましたね。



『Zola ゾラ』© 2021 Bird of Paradise. All Rights Reserved


また、表現のインスピレーションとして子供の頃にもらったジュエリーボックスがありました。このボックスにはバレリーナの小さな人形が付いていて、ダイヤルを回すと音楽と一緒に回り出す。このボックスの幼い雰囲気を、表現の参考にした部分もあります。


ちなみに、2015年にこのツイートが登場すると「映画化すべきだ」とツイッター上で盛り上がり、早速ハリウッドが飛びついて企画化されたわけですが、このツイートの異様さだけを抽出して映画化した場合は、私が作った『Zola ゾラ』とは違う内容になったと思うんです。多分、異様さだけを抽出したバージョンは、何となくこんな映画になるだろうなと雰囲気が想像できました。でも私はそういう映画にはしたくはなかった。そのこともこの映画の表現に大きく影響しています。




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