©2023「THE LEGEND & BUTTERFLY」製作委員会
『レジェンド&バタフライ』木村拓哉 撮影所が楽園になる瞬間とは【Actor’s Interview Vol.28】
演じることで周囲を納得させた綾瀬はるか
Q:信長と濃姫は政略結婚で関係が始まりますが、そこからお互いの絆が深くなってゆく。綾瀬はるかさん演じる濃姫との絆を表現するために何か準備したことなどはありますか?
木村:まったく無いですね。彼女もすごく自然体で現場にいたし、周りのスタッフからもすごく愛されていた。彼女はなぜ愛されるのか、それは先ほども言った「彼女が“出来る”から」なんです。彼女は演じることでスタッフ皆を納得させる、だから皆から愛される。
ただ、彼女はこの作品と並行して他の作品も掛け持ちでやっていて、他の作品からこっちの現場に来て濃姫になるわけですが、そのとき監督が自分に言うんですよ。「濃姫に戦国時代に戻ってきてもらわなきゃまだ戦国時代にタイムスリップしきれてない」って、それで俺に「お願いしますよ」って振ってくる。「なんで俺やねん」って感じですが(笑)。
『レジェンド&バタフライ』©2023「THE LEGEND & BUTTERFLY」製作委員会
彼女は、他の出演者、監督、スタッフ、など周囲の人から役に肉付けされることを拒まないんです。話していてもリアクションが薄いので心配になりますが、本番の合図がかかり実際にセッションしてみるとしっかり伝わっている。こんな動き絶対できないだろうなって思っていても、予想以上に動けるんですよ。
Q:木村さんがこのプロジェクトに関わったことで、観客の皆さんに伝えたいことは何でしょう。
木村:伝えられるときにその気持ちを伝えることの大切さでしょうか。まぁでも作った側が「この味を味わえ!」っていうのはおかしいから(笑)、皆が美味しいと思ってくれたところが美味しければ、それで良いかなと思います。
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木村拓哉
1972年11月13日生まれ。東京都出身。主な出演映画は『武士の一分』(06)、『HERO』(07)、『アイ・カム・ウィズ・ザ・レイン』(09)、『SPACE BATTLESHIP ヤマト』(10)、『HERO』(15)、『無限の住人』(17)、『検察側の罪人』(18)、『マスカレード・ホテル』(19)、『映画ドラえもん のび太の新恐竜』(20/声の出演)、『マスカレード・ナイト』(21)、など。時代劇初出演となった「織田信長 天下を取ったバカ」(98)以来25年ぶりに本作で信長を演じる。
取材・文:香田史生
CINEMOREの編集部員兼ライター。映画のめざめは『グーニーズ』と『インディ・ジョーンズ 魔宮の伝説』。最近のお気に入りは、黒澤明や小津安二郎など4Kデジタルリマスターのクラシック作品。
『レジェンド&バタフライ』
1月27日(金) 全国公開
配給:東映
©2023「THE LEGEND & BUTTERFLY」製作委員会