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『ザ・ホエール』ブレンダン・フレイザー 誰の人生の中にもチャーリーはいる【Actor’s Interview Vol.31】

『ザ・ホエール』ブレンダン・フレイザー 誰の人生の中にもチャーリーはいる【Actor’s Interview Vol.31】

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今年のアカデミー賞は嬉しい驚きに満ちていた。ブレンダン・フレイザーやキー・ホイ・クァンがこんな形でカムバックするなんて、数年前に予想できていた人はいるだろうか。ダーレン・アロノフスキー監督の『ザ・ホエール』で、見事アカデミー賞主演男優賞を獲得したブレンダン・フレイザー。先日の日本公開のタイミングで来日し、ファンの前に元気な姿を見せてくれた。素顔の本人はとても気さくで丁寧な紳士。今回は来日したブレンダン本人に直接話を聞くことができた。



『ザ・ホエール』あらすじ

恋人アランを亡くしたショックから、現実逃避するように過食を繰り返してきたチャーリー(ブレンダン・フレイザー)は、大学のオンライン講座で生計を立てている40代の教師。歩行器なしでは移動もままならないチャーリーは頑なに入院を拒み、アランの妹で唯一の親友でもある看護師リズ(ホン・チャウ)に頼っている。そんなある日、病状の悪化で自らの余命が幾ばくもないことを悟ったチャーリーは、離婚して以来長らく音信不通だった17歳の娘エリー(セイディー・シンク)との関係を修復しようと決意する。ところが家にやってきたエリーは、学校生活と家庭で多くのトラブルを抱え、心が荒みきっていた……。


Index


最初はちょっとビビってた



Q:ダーレン・アロノフスキー監督から話が来たときはどんな印象でしたか。


フレイザー:最初に連絡が来た時は驚いたし、クリエイティブな意味で興味も感じました。彼の作る映画はどれも意義深く興味をそそる作品ばかり。人間というものをそのまま捉えていて、観客に決して目を背けさせず最後まで見届けることを要求する。そういう監督だから実はちょっとビビってました(笑)。まだパンデミック前でちょうど仕事がゆっくりしていた時期だったので、チャイナタウンにある彼のオフィスでミーティングをしたんです。でも実際の彼は素晴らしいコラボレーターでアーティスト。ちょっとオタクで、人柄も素敵な方でした。



『ザ・ホエール』© 2022 Palouse Rights LLC. All Rights Reserved.


その後すぐパンデミックに入ってしまって、そのときは役をもらえたのかどうか微妙だったのですが、それでも監督はちゃんと声を掛けてくれた。ただし、かなりの時間が掛かる特殊メイクが必要なので、物理的に大変な役になるよと念押しされました。もちろん僕としては全然問題なかった。衣装もメイクも映画作りの「技」のひとつで大切なもの。特殊メイクは重くて動きづらいけれど、チャーリーのことを考えればそんなことは言っていられない。チャーリーは著しく健康を損なわれている状態なので、それを演じる上では特殊メイクの動き辛さは逆に助けになりました。



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