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『エブリシング・エブリウェア・オール・アット・ワンス』ジョナサン・ワン プロデューサー A24以外では成立しなかった【Director’s Interview Vol.309】
あくまでも“良質な映画を作る”こと
Q:大ヒット、そしてオスカー獲得と最高の栄冠を手にしましたが、今後はどのような映画を作っていきたいですか?
ワン:最高の栄冠なので、ここからは下り坂ですね(笑)。プロデューサーとして作品賞をいただいたことで、何かを追いかけなければいけない気持ちからは解放された感覚があります。でもこれで終わりじゃないし、これからを楽しみにしています。自分たちの作りたいものを作れる状況になりましたが、『エブエブ〜』はアカデミー賞を意識して作った映画ではないし、これからもそれが目標になるわけではありません。あくまでも“良質な映画を作る”ということが僕たちの北極星(道標)なんです。
また、今までは「クリエイティブなプロデューサー」「成長著しいプロデューサー」のように呼ばれていましたが、今後は一人の「プロデューサー」として呼んでもらうことになると思います。そのことに対しては感謝と謙虚な気持ちを感じています。名前が知られていないフィルムメイカーは、役者さんにコンタクトすることすら難しいのですが、今はエージェントを通さずに直接役者さんにお会いできるようになった。この作品を作れたことでいろいろな扉が開かれたことも嬉しいですね。
『エブリシング・エブリウェア・オール・アット・ワンス』© 2022 A24 Distribution, LLC. All Rights Reserved.
Q:影響を受けた映画監督や映画作品を教えてください。
ワン:スパイク・ジョーンズ、ミシェル・ゴンドリー、ジョーダン・ピール、パク・チャヌク、ポン・ジュノなどなど、たくさんいます。日本映画の『タンポポ』(85)も好きなんです。本も好きで、ドストエフスキーやスタイン・ベックにも影響を受けましたね。
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プロデューサー:ジョナサン・ワン
監督デュオのダニエルズと長年にわたり製作を手掛けているプロデューサー。ミュージックビデオ製作から始め、ボブ・ディラン、ビヨンセ、ジェイ・Zなどの受賞歴のあるミュージックビデオを多数製作。その後、2015年にダニエルズの「スイス・アーミー・マン」で映画製作に転身、同作品は2016年のサンダンス映画祭でプレミア上映され、U.S. Dramatic Directing Awardを受賞。ワンはA24と共に、Everything Everywhere All At Onceを含む他の5つの映画を製作しており、同作品は2023年のアカデミー賞で、作品賞を含む7つの賞を受賞し、A24の歴代最高興行収入を記録しました。
取材・文: 香田史生
CINEMOREの編集部員兼ライター。映画のめざめは『グーニーズ』と『インディ・ジョーンズ 魔宮の伝説』。最近のお気に入りは、黒澤明や小津安二郎など4Kデジタルリマスターのクラシック作品。
『エブリシング・エブリウェア・オール・アット・ワンス』
全国公開中
配給:ギャガ
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