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『バカ塗りの娘』鶴岡慧子監督×盛夏子プロデューサー 大切にしたのは鶴岡監督のリズム【Director’s Interview Vol.346】

『バカ塗りの娘』鶴岡慧子監督×盛夏子プロデューサー 大切にしたのは鶴岡監督のリズム【Director’s Interview Vol.346】

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客観的な意見で動いた脚本



Q:企画/原作をどのように脚本に落とし込んでいったのでしょうか。原作タイトル「ジャパン・ディグニティ」からの改変などについてもお聞かせください。

 

鶴岡:プロットを組み立てつつ原作要素の取捨選択をするところから始めました。津軽塗の工程はしっかり入れたかったのですが、そもそも津軽塗がどういう工程を踏むのかまったくわからない。プロットの方向がなんとなく決まったぐらいで、弘前にシナハンに行きました。そこで職人さんに色々と話を伺い、帰って脚本を書き始めた頃にコロナ禍になってしまった。そこからはモヤ〜っとした時間が長く続いたのですが(苦笑)、ラインプロデューサーの大川哲史さんに合流してもらってから、脚本作りが一気に動いていきました。長い時間をかけて開発していた脚本に、初めて客観的な視点が入った。いろんな意見をズバズバ言ってもらったのが良かったですね。


盛:ラインプロデューサーは現場を仕切る人だから、お金に関してとてもシビアなのですが、大川さんは作品がどうしたら面白くなるかを純粋に考えて意見をくれました。こちらが想像していなかったことも沢山指摘してくれて、とても面白かったです。



『バカ塗りの娘』(C)2023「バカ塗りの娘」製作委員会


鶴岡:原作ではユウは弟役でしたが、それをお兄ちゃんに変えてみたらと指摘してくれたのも大川さんでしたね。


盛:弟よりもお兄ちゃんの方が“家業を継ぐ”感じが強まるなと。その辺は原作の髙森美由紀さんも了承してくださいました。タイトルに関しても、“ディグニティ”という言葉が難しかったということもあり、『バカ塗りの娘』と変更したのですが、そこも了承していただきました。髙森さんはずっと見守ってくださっていた感じですね。


映画のタイトルはとっつきにくいと流れていってしまうので、中身を表しつつもパッと見て記憶に残るものにする必要がある。結構時間を掛けて考えたのですが全然出てこず…、そんな時に別のプロデューサーが「これどうだ」と『バカ塗りの娘』を持ってきたんです。自分が決めようと思っていたので悔しかったのですが、「これだな」と思いましたね。ただ、実際の職人さんにネガティブに思われたら失礼だなと思ったので、念のため確認していただいたのですが、皆さん「面白いね」って仰ってくださった。ではこのままいかせていただこうかと。




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