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『ザ・クリエイター/創造者』ギャレス・エドワーズ監督 世界一お金を掛けたゲリラスタイル【Director’s Interview Vol.365】

『ザ・クリエイター/創造者』ギャレス・エドワーズ監督 世界一お金を掛けたゲリラスタイル【Director’s Interview Vol.365】

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再タッグを組んだ役者は渡辺謙だけ



Q:渡辺謙さんとの再タッグはいかがでしたか? 


エドワーズ:僕は常に新たな役者さんと仕事をしたいスタイルなので、最初は他の方をキャスティングしようと苦労していました。謙さんにもスケジュールを聞いたのですが、他の作品が入っていてうまく合わなかった。その後コロナ禍で撮影が延期になり、改めてスケジュールをお伺いして出演してもらえることになりました。


現場で謙さんにお会いすると、「最初からお願いしておけばよかった。なんてバカだったんだ」と思うくらい、謙さんはパーフェクトでした。謙さんは言葉を発せずとも感情で気持ちを伝えることが出来る。カメラのファインダー越しに見る謙さんは、それだけでクラシック映画のよう。僕が再タッグを組んだ役者は謙さんだけなんです。



『ザ・クリエイター/創造者』© 2023 20th Century Studios


Q:米軍大佐ハウエルを演じたアリソン・ジャネイも素晴らしかったです。単純な悪役じゃないところが良かったし、この世界を複雑にしている原因を彼女自身に見出すことも出来ます。


エドワーズ:この映画では、“自分たちとは違う人々”のメタファーとしてAIが出てきます。争いが起こった場合、自分の行為は正しいと思ったとしても、敵と見なす人の視点から見ると自分の行為は正しくない。まるでお互い正面衝突に突き進む電車のように、もう止めようがないんです。それが諍いの難しいところ。争いを描くときは、色んな視点を入れることが大事。その葛藤がドラマにもなりますしね。それによって問題の複雑な部分が浮き上がってくる。今回のハウエル大佐に関しては、なぜ彼女はAIを殲滅させたいのかというモチベーションを理解することが重要でした。


先ほど『エイリアン2』の話が出ましたが、リプリーは映画史上最高のキャラクターの一人。もともとは男性の俳優をイメージして書かれた役でしたが、撮影寸前になってシガーニー・ウィーバーに変わったんです。今回の大佐役も当初の脚本では男性キャラクターで進めていて、キャスティングの際に、女性キャラクターに変更したんです。普段だったらブルース・ウィリスがやるような役ですが、間違えてアリソン・ジャネイに脚本が送られてしまったかのようで、それも面白いかなと(笑)。





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