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『ザ・クリエイター/創造者』ギャレス・エドワーズ監督 世界一お金を掛けたゲリラスタイル【Director’s Interview Vol.365】

『ザ・クリエイター/創造者』ギャレス・エドワーズ監督 世界一お金を掛けたゲリラスタイル【Director’s Interview Vol.365】

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世界一お金を掛けたゲリラスタイル



Q:インディペンデントの頃に作られた『モンスターズ/地球外生命体』(10)と、『GODZILLA ゴジラ』(14)や『ローグ・ワン/スター・ウォーズ・ストーリー』といった大作の、それぞれの技法が融合されている印象がありました。インディペンデントと大作で、今回はどちらの経験が生かされたのでしょうか?


エドワーズ:予算が少ない作品は、クリエイティブの自由さがあります。一方で大作の場合はお金があるにもかかわらず、不思議なことに色々な制限を感じてしまう。今回はその間のスイートスポットを狙いました。そこへの方向性は二つあって、一つはチープなブロックバスターにするか、もう一つは世界一お金の掛かっているゲリラスタイルにするか。もちろん後者を選んだわけですが、『モンスターズ/地球外生命体』のときと同じく、スタッフの数はかなり少なかった。でもそのときよりはお金はある。クリエイティブ的には良い環境で作ることができましたね。



『ザ・クリエイター/創造者』© 2023 20th Century Studios


Q:この映画はAI対人間の話であり、東洋対西洋の対立の話でもある。物語を作るにあたり実際の歴史もイメージされましたか?


エドワーズ:具体的な歴史や事件を想定したわけではありません。ただ、僕の人間に対する思いは間違いなく反映されています。5年経っても10年経って100年経っても、この作品を観た人は「タイムリーな内容だね」と、必ず言うと思います。それが私たちの住んでいる世界なんです。ものすごい権力を持っている人間が他の人間を抑圧する物語は、これまでずっと繰り返されてきた。たとえその権力者を殲滅したとしても、それは解決にはならない。だからこそ本作では、視点の違いを見せることによって、「自分が間違っていたのかもしれないし、相手も間違っているかもしれない」と気づいて欲しかった。その上で、「お互いに理解し合って一つになることでしか解決はできない」そう伝えたかったんです。AIは人間自身のメタファーなんです。



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監督・脚本:ギャレス・エドワーズ

1975年、英ヌニートン出身。国立UCA芸術大学で映像を学び、視覚効果スタッフとして活動した後、2010年に低予算映画『モンスターズ/地球外生命体』で監督、脚本、撮影、視覚効果を手がけ、英国アカデミー賞候補になるなど絶賛を集める。2014年には日本が生んだ怪獣をハリウッドで描く大作『GODZILLA ゴジラ』の監督に抜擢され大ヒットを記録。続く2016年には『ローグ・ワン/スター・ウォーズ・ストーリー』のメガホンをとり、映画ファンから「最高傑作」の声を集め、スター・ウォーズのファンからも高評価を獲得した。



取材・文: 香田史生

CINEMOREの編集部員兼ライター。映画のめざめは『グーニーズ』と『インディ・ジョーンズ 魔宮の伝説』。最近のお気に入りは、黒澤明や小津安二郎など4Kデジタルリマスターのクラシック作品。


撮影:青木一成




『ザ・クリエイター/創造者』

10月20日(金)全国劇場にて公開

配給:ウォルト・ディズニー・ジャパン 

© 2023 20th Century Studios

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