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『市子』戸田彬弘監督×杉咲 花 ロケハンに俳優が同行する意義とは?【Director’s InterviewVol.376】

『市子』戸田彬弘監督×杉咲 花 ロケハンに俳優が同行する意義とは?【Director’s InterviewVol.376】

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想像を絶する過酷な家庭環境を生き抜いてきた川辺市子。彼女の壮絶な人生を描いた映画『市子』は、監督の戸田彬弘自身が主宰する劇団チーズtheaterの演劇作品「川辺市子のために」の映画化だ。主人公・市子を演じるのは杉咲花。全身から迸るほどの驚くべき熱量で市子を体現している。そんな杉咲=市子を、原作・脚本・監督の戸田はどう見つめ、どう捉えたのか? 二人に話を伺った。

 

 

『市子』あらすじ

川辺市子(杉咲 花)は、3年間一緒に暮らしてきた恋人の長谷川義則(若葉竜也)からプロポーズを受けた翌日に、突然失踪。途⽅に暮れる⻑⾕川の元に訪れたのは、市⼦を捜しているという刑事・後藤(宇野祥平)。後藤は、⻑⾕川の⽬の前に市子の写真を差し出し「この女性は誰なのでしょうか。」と尋ねる。市子の行方を追って、昔の友人や幼馴染、高校時代の同級生…と、これまで彼女と関わりがあった人々から証言を得ていく長谷川は、かつての市子が違う名前を名乗っていたことを知る。そんな中、長谷川は部屋で一枚の写真を発見し、その裏に書かれた住所を訪ねることに。捜索を続けるうちに長谷川は、彼女が生きてきた壮絶な過去と真実を知ることになる。

 

Index

 

剥き出しで映し出された社会



Q:完成した映画の感想をお聞かせください。

 

杉咲:客観視するのはなかなか難しかったですが、自分たちが生きる世界と地続きにある人や社会の姿が剥き出しに映し出されていて、「これを見てあなたはどう思うのか」と突きつけられている感覚がありました。手持ちのカメラで切り撮られた映像も生々しく、身に迫るものがありました。

 

戸田:観ている途中で市子のことを知ったような気持ちになりましたが、ラストシーンで歩いている市子を見ると、「何もわかってなかった」と思わされてしまう。その怖さがありました。演出するには、キャラクターを理解する必要がありますが、“わからない”ことを作っていくのはすごく難しかったなと改めて思いました。

 


『市子』©2023 映画「市子」製作委員会


Q:緻密で複雑な設定を持つ本作は、スタッフ・キャストの皆さんが全容を把握できるようにサブテキストを用意したと聞きました。

 

戸田:サブテキストには、実際の映画では撮影されないシーンの設定や状況を書いていて、役の人生にとって大事な出来事であろうエピソードの隙間も、全部起こしてお渡ししました。

 

杉咲:サブテキストのおかげで、当時の市子は何を感じ、どういうものから影響を受けていたのかが理解できたので、大きなヒントになりました。また、「みんなが上を見てるときなんか安心すんねん」「花は水あげへんと枯れるから好き」など、本編の中で印象的だったセリフについて、その意図を監督に聞いたりもしつつ市子の感覚を探していきました。

 

 


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