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ラストシーンにプテラノドンの理由
2015年の『 ジュラシック・ワールド』から再び再始動した『 ジュラシック・パーク』シリーズ。最新作『 ジュラシック・ワールド/炎の王国』の公開が控え、改めてシリーズや恐竜そのものへの関心が高まるばかりだ。
ところで、シリーズ第2作『 ロスト・ワールド/ジュラシック・パーク』(1997年)のラストシーンを覚えているだろうか。
サンディエゴの街に連れて来られたティラノサウルスが大暴れして、ジェフ・ゴールドブラムとジュリアン・ムーアが赤いポンティアック・GTOで恐竜とチェイスを繰り広げ、最終的にティラノサウルスの親子を貨物船に載せ、元いた島に送り返して一件落着。くたびれきった主人公たちがぼんやりテレビを見ていると思ったら場面は恐竜が生き延びる島へ。人類文明と隔絶された世界で恐竜が闊歩し、大空を自由に飛び回っていた翼竜プテラノドンの一匹が舞い降りてきて木にとまる。大きな翼(微妙な膜の透け方が本当にリアル!)を堂々と広げ、長いクチバシを思い切り開いて一声鳴いて、完。
あれだけ街で大暴れしたティラノサウルスはプテラノドンの前では完全に背景だ。普通なら最後にティラノがガオーと吠えそうなものだけれど、一体どうしてあんなにプテラノドンがフォーカスされるのだろう。第1作『ジュラシック・パーク』のラストで海上を飛んでいた鳥の群れは、恐竜の進化、あるいは島から恐竜が外へ渡っていく可能性の恐怖などを暗示しているのだと思うが、2作目のプテラノドンはなにを意味するのだろうか。
それには『ジュラシック・パーク』という大ヒットタイトルよりも優先して付けられた『ロスト・ワールド』というタイトルと、「 シャーロック・ホームズ」シリーズの著者として知られるアーサー・コナン・ドイルが関係している。