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『インサイド・ヘッド2』ケルシー・マン監督×マーク・ニールセンプロデューサー 言葉ではなく“映画”で伝えること【Director’s Interview Vol.425】

※向かって左より、マーク・ニールセンプロデューサー、ケルシー・マン監督

『インサイド・ヘッド2』ケルシー・マン監督×マーク・ニールセンプロデューサー 言葉ではなく“映画”で伝えること【Director’s Interview Vol.425】

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ピクサー史上最大のヒットを記録した『インサイド・ヘッド2』の勢いが止まらない。ついには世界興収で『アナと雪の女王2』(19)を抜き、アニメーション映画史上最大のヒットを記録した。もはや世界的な社会現象となりつつある『インサイド・ヘッド2』が、いよいよ日本でも公開される。この驚異的な作品を生み出したのが、ピクサーのケルシー・マン監督とマーク・ニールセンプロデューサーだ。彼らはいかにして『インサイド・ヘッド2』を作り上げたのか。来日した二人に話を伺った。



『インサイド・ヘッド2』あらすじ

少女ライリーを子どもの頃から見守ってきた頭の中の感情・ヨロコビたち。ある日、高校入学という人生の転機を控えたライリーの中に、シンパイ率いる<大人の感情>たちが現れる。「ライリーの将来のために、あなたたちはもう必要ない」―シンパイたちの暴走により、追放されるヨロコビたち。巻き起こる“感情の嵐”の中で自分らしさを失っていくライリーを救うカギは、広大な世界の奥底に眠る“ある記憶”に隠されていた…。


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思春期特有の“自己意識”をキャラクターに



Q:新しく出てきた感情たち(シンパイ、ハズカシ、イイナー、ダリィ)がまさに思春期そのものでした。彼ら4つの感情はどのように選ばれ生まれたのでしょうか。


マン:今回は新しい感情を登場させたくて、いろんな感情を集めたリストを作りました。最初に思いついたのは“シンパイ”です。自分が心配だということもあったのですが(笑)、やはりティーンエイジャーになると心配が芽生えてくるし、それは大人になってもあり続けるものですよね。そこから、シンパイのまわりにはどんな感情があるのかを考えていきました。1作目でもお世話になったバークレイ大学の先生に聞くと、ティーンエイジャーになると皆すごく自己意識が強くなるとのこと。それで、“イイナー”や“ダリィ”、“ハズカシ”を加えたんです。


Q:新しい感情たちは見事に擬人化されていますが、キャラクターの造形はどのように作られるのでしょうか。


ニールセン:とにかくシンプルに。どんな感情なのか一目でわかるように心がけています。


マン:前作から出ている“ヨロコビ”はスター、“イカリ”は爆発で、“カナシミ”は涙。今回の“ダリィ”なんて本当にふやけたうどんみたいで、いかにもって感じでしょ(笑)。僕にはティーンエイジャーの子供たちがいますが、まさにこんな感じですよ(笑)。


ニールセン:“ハズカシ”は“隠れようがない”ということで、すごく大きくしています。逆に“イイナー”はすごく小さくて「私もほかの人みたいに背が高ければいいな〜」って思っている。“イイナー”はコンソールパネルに手が届かないんです(笑)。



『インサイド・ヘッド2』(C)2024 Disney/Pixar. All Rights Reserved.


Q:ランス(ゲームキャラクター)やブルーフィー、ポーチー(2Dアニメのキャラクター)など、テイストやトーンの違うキャラクターが3DCGの世界に自然に馴染んでいて驚きました。共存させる難しさはありましたか。


マン:そこはすごく面白かったですね。ピクサーには才能がある人たちがたくさんいるので、いろんなチャレンジが出来るんです。ブルーフィーとポーチーはTVの子供番組から来ていて、元々は3Dだったですが2Dにした方が面白いんじゃないかと。そしてランスはゲームから来ているキャラクターです。


ピクサーでは非常に高いクオリティを求められますが、テレビやビデオゲームだと予算の問題もあって、ちょっと雑な感じがありますよね(笑)。たとえばピクサーでは、髪の毛が肩に混ざるようなことは有り得ない。でもランスは予算が低いところで作られているため、ちょっと混ざってしまっているんです。その辺はあえてやりましたね(笑)。





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