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『トランスフォーマー/ONE』 ジョシュ・クーリー監督 おなじみの世界の「起源」を描く喜び【Director’s Interview Vol.433】

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『トランスフォーマー/ONE』 ジョシュ・クーリー監督 おなじみの世界の「起源」を描く喜び【Director’s Interview Vol.433】

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オプティマスの声も思い切って変更



Q:主人公のオプティマスプライムの声は、これまでの実写シリーズやゲーム版でピータ・カレンが演じてきました。そのおなじみの声が今回クリス・ヘムズワースに変わっています。


クーリー:オプティマスプライムの経験不足で未熟な部分を際立たせたかったのです。彼は最初から絶対的なリーダーではありませんでした。とはいえ、最終的にはヒーローになります。若さゆえの楽観主義的な魅力や、無責任とは言わないまでも“お気楽”なムードを漂わせつつ、そこに秘められたカリスマ性をプラスする。そんな要望に応えられる俳優として、クリスを指名しました。この後のオプティマスに、どんな運命が待ち受けるのか。その未知数の部分も含めて、クリスは完璧な演技をやりとげてくれたと確信しています。


Q:実写シリーズで5作を監督したマイケル・ベイは、今回プロデューサーに名を連ねています。


クーリー:私が参加する前の早い段階から、本作に関わっていました。実際の製作期間は、彼が自身で監督する別の作品と重なっていたようで、特にアドバイスは受けられませんでしたが、仕上がった映像をいくつか観てもらったところ、満足したという感想をもらえました。最高のチームだったと思います。


Q:トランスフォーマーは元をたどれば、日本で発売された変形ロボット(タカラトミーの「ダイアクロン」シリーズなど)に行き当たります。映画を作りながら、何か日本のカルチャーを意識したりは?


クーリー:日本でもアメリカでも、トランスフォーマーはおもちゃとして人気に火がつきました。ですから今回、私たちのチームは、初期型のデザイナーである河森正治さんの作品(「ダイアクロン」)からインスピレーションをもらってデザインに生かしたのです。あと日本のカルチャーということなら、とにかく私は寿司をしゅっちょう食べているので、その栄養が映画に使われたかも。あっ、まったく関係ない話でしたね(笑)。


Q:今後の予定では実写映画への進出もうかがえますが、監督としてどんな方向性を考えていますか?


クーリー:現段階で正式に発表できる作品はありませんが、たしかに実写に取り組んでみたい野望はあります。ただアニメーションも大好きなので、枠にとらわれず、面白い物語を伝えることを重視していくつもりです。「何でもできます」という状態でいたいですね。


Q:アニメーターから映画監督になったわけですが、子供の頃からの夢が実現したのでしょうか?


クーリー:私の両親は芸術家とミュージシャン。とてもクリエイティブな人たちで、私も彼らに影響され、物心ついた頃から絵を描き始めていたようです。そんな私を両親も応援してくれました。やがてワーナー・ブラザースのアニメやディズニーのクラシック映画を観ることに興味が移り、両親にアニメーターへの夢を語ってみたところ、「他に目指したいものがなければいいんじゃない?」と背中を押してもらい、今の私があるのです。


Q:映画監督を目指したいと思った決定的な作品は?


クーリー:1988年に観た『ロジャー・ラビット』です。子供ながらに衝撃を受け、いつかこんな映画を自分で作れないかと妄想しましたから。



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監督:ジョシュ・クーリー

映画監督、脚本家、声優として活躍するクリエイター。2015年のピクサー製作のアニメ映画『インサイド・ヘッド』の脚本を担当し、アカデミー賞の脚本賞にノミネートされる。2020年には、初の長編監督作品となる『トイ・ストーリー4』でアカデミー賞の長編アニメーション賞を受賞。



取材・文:斉藤博昭

1997年にフリーとなり、映画誌、劇場パンフレット、映画サイトなどさまざまな媒体に映画レビュー、インタビュー記事を寄稿。Yahoo!ニュースでコラムを随時更新中。クリティックス・チョイス・アワードに投票する同協会(CCA)会員。




『トランスフォーマー/ONE』

9月20日(金) 日米同時公開

配給:東和ピクチャーズ オンライン

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