次の映画はアクションと動物関係で!
Q:とても素敵な世界がスクリーンに映っていましたが、完成した映画を観ていかがでしたか。
大沢:観た人によって感想はいっぱいあると思うけど、自分はこの映画が好きだし、登場人物も生きてるのか死んでるのか分からない変な人たちだけど、それも個性があっていいなって思います。
森井:この取材に合わせて一昨日観直したのですが、やっぱり感情を描きたかったんだなって。観終わった後に感情が残るというか、言葉がちょっと難しいんですけど、誰かと誰かが思いの丈をぶつけ合うわけでもなく、この映画を通して一つの感情だけが残るものを描きたかったのだなと、改めて思いました。
Q:大沢さんの演技も格段に成長した感じがありましたが、自分の中でも変わった感じはありましたか。
大沢:なんだろう。今回は「これでいいのかな」と思うときがあったり、手応えみたいなものが出てくるときもあったり。「これは上手くいったな」「これはもうちょっとかな」というときがありました。
森井:確かに今回は、自分を見るもう一つの目が出来るようになっていましたね。
『ルート29』©2024「ルート29」製作委員会
Q:大沢さんは『こちらあみ子』と今作の間に他の作品にも出演されていますが、そのときの経験で生かされたものはありましたか。
大沢:表現の仕方とかは他の作品でちょっと勉強になったりしたから、こっちにも反映できるかなと思いました。
Q:今後はどんな映画を作っていかれるのでしょうか。海外で撮影しても十分通用するのではないかと思いました。
森井:本当ですか? 海外いいですよね。撮りたいです。
大沢:いってらっしゃいー。頑張れー。
森井:まだまだ頑張ってる途中なんで、はい、頑張ります!
Q:大沢さんはいかがですか。
大沢:アクション系みたいな戦うやつに出たいし、動物が関係するお話にも出てみたい。
森井:じゃあ、動物と戦うっていうのは(笑)?
大沢:それはダメでしょ。
森井:一菜が動物と戦う映画。クマとか。
大沢:負けちゃうね。
森井:負けちゃうか〜。でも色々と習ってるんでしょ?
大沢:アクションを習ってる。
Q:また森井監督の作品に出演したいですか。
大沢:出たいし、今度はアクション系や動物関係を希望します!
森井:『ターザン』みたいなやつね(笑)。
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監督/脚本:森井勇佑
1985年生まれ、兵庫県出身。日本映画学校 映像学科(現:日本映画大学)を卒業後、映画学校の講師だった長崎俊一監督の『西の魔女が死んだ』(08)で、演出部として映画業界に入る。以降、主に大森立嗣監督をはじめ、日本映画界を牽引する監督たちの現場で助監督を務める。2022年、芥川賞受賞作家・今村夏子の同名短編小説を映画化した『こちらあみ子』で監督デビュー。同作は全国でロングラン上映されるなど、多くの観客に支持され、第27回新藤兼人賞金賞、第14回TAMA映画賞最優秀新進監督賞、第36回高崎映画祭新進監督グランプリ、第32回日本映画プロフェッショナル大賞作品賞、新人監督賞など多数の賞を受賞。また、第52回ロッテルダム国際映画祭をはじめ、世界各国の映画祭に正式出品され、台北映画祭では台湾映画批評家協会推薦賞、JAPAN CUTSのNEXT GENERATION部門では大林宣彦賞を受賞するなど高い評価を受けた。『ルート29』は『こちらあみ子』と同じく、脚本も自身が手がけた監督2作目となる。
大沢一菜
2011年6月16日生まれ、東京都出身。22年の映画『こちらあみ子』で応募総数330人の中からオーディションで選ばれ、主人公のあみ子役でスクリーンデビューを飾った。同作で第36回高崎映画祭最優秀新人俳優賞を受賞する。その後、ドラマ「姪のメイ」(23/テレビ東京)でもタイトルロールのメイ役で主演。宮藤官九郎が企画・監督・脚本を担当した配信ドラマ「季節のない街」(23/Disney+STAR)ではホームレスの少年役で出演した。また、俳優業にとどまらず、23年、NTT東日本「ミライはどこから来るの?」のCMに出演するなど、その個性あふれる存在感が幅広いジャンルで注目を集めている。さらに、24年にはRM(BTS)2ndソロアルバム『Right Place,Wrong Person』に収録されている“Domodachi (feat. Little Simz)”のMVにも出演。世界中から多くの注目を集めている。
取材・文: 香田史生
CINEMOREの編集部員兼ライター。映画のめざめは『グーニーズ』と『インディ・ジョーンズ 魔宮の伝説』。最近のお気に入りは、黒澤明や小津安二郎など4Kデジタルリマスターのクラシック作品。
撮影:青木一成
『ルート29』
11月8日(金)TOHOシネマズ 日比谷ほか全国公開
配給:東京テアトル リトルモア
©2024「ルート29」製作委員会