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『グラディエーターII 英雄を呼ぶ声』ポール・メスカル 異なるレンズを通して世界を伝えるのが俳優の役割【Actor’s Interview Vol.46】
15年かけて撮るミュージカル映画が控える
Q:現在28歳にしてアカデミー賞ノミネート、今回のようなアクション超大作の主演と、最高のキャリアをたどっているように感じられますが、ご自身はこの成功を客観的にどう捉えているのでしょう。
メスカル:客観的に自分を見つめるのは難しいですね。どちらかといえば僕は主観的に判断するタイプですから。断言できるのは、これまでの人生に心から満足していること。これからも大好きな仕事で創造性をキープしながら、多くの人と一緒に作品に取り組みたい。そんな生活が終わってほしくないです。今日はこうして取材に答えていますが、明日から数日間は撮影が控えていて、そちらに頭を切り替えて集中します。
Q:新作という意味で、リチャード・リンクレイター監督との『Merrily We Roll Along』が控えています。ミュージカル映画は新たなチャレンジですね。
メスカル:撮影が始まるのはまだ先ですが、舞台ミュージカルも大好きな僕にとって最適のプロジェクトだと感じています。スティーヴン・ソンドハイム(『Merrily〜』の作詞・作曲家)は世界で最も尊敬するアーティストなんです。ただしリンクレイター監督は『6才のボクが、大人になるまで。』(14)と同様のスタイルで製作するので、完結するまで15年かかりそう。作品について語るのも、だいぶ先の未来になるでしょう。
『グラディエーターII 英雄を呼ぶ声』©2024 PARAMOUNT PICTURES.
Q:アクション大作、ミュージカル映画、人間ドラマとジャンルによって演技のアプローチも変わるのでしょうか?
メスカル:ジャンルに関係なく役へのアプローチはつねに異なっていると思います。作品ごとに監督や共演者も変わるわけですから。しかし根底には共通点があります。アクションでもミュージカルでもコメディでも、演じるキャラクターが何を必要とし、周囲の世界とどう関わりコミュニケーションをとるのかを探すこと。このプロセスは、古代ローマの闘技場でも現代のロンドンのアパートでも同じです。それぞれの異なるレンズを通して世界を案内する。そんな俳優の役割をまっとうしていきたいです。
Q:話を聞いていると俳優業に夢中のようですが、仕事以外で楽しい時間はあるのですか?
メスカル:その質問はよく聞かれるのですが、あまりに多くの時間を仕事に費やしているので、うまい答えが見つかりません。家族や友達、愛する人と過ごす時間……というのもありきたりですし(笑)。とにかく今は28歳の一人の人間として、人生の意味を追求している感じでしょうか。
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取材・文:斉藤博昭
1997年にフリーとなり、映画誌、劇場パンフレット、映画サイトなどさまざまな媒体に映画レビュー、インタビュー記事を寄稿。Yahoo!ニュースでコラムを随時更新中。クリティックス・チョイス・アワードに投票する同協会(CCA)会員。
『グラディエーターII 英雄を呼ぶ声』
11月15日(金)劇場公開
配給:東和ピクチャーズ
©2024 PARAMOUNT PICTURES.