革命的ギャグ漫画「聖☆おにいさん」が初の実写映画化！ 監督を手がけるのは奇才・福田雄一。今回も独自の福田ワールドが炸裂、爆笑必至の内容に仕上がった。役者もスタッフも共犯関係を楽しんでいるかのように見える福田作品だが、一体いかにして作られているのか。福田監督に話を伺った。
『聖☆おにいさん THE MOVIE～ホーリーメンVS悪魔軍団～』あらすじ
広い宇宙の数あるひとつ、燦然と輝く命の星、地球。世紀末を無事乗り越えた神の子イエス（松山ケンイチ）と仏の悟りを開いたブッダ（染谷将太）は、日本の四季折々を感じながら下界で密やかにバカンスを楽しんでいた。東京・立川にある風呂なし６畳一間のアパートをシェアし、ふたり暮らし。アイスを分け合ったり、近所の商店街で福引きを楽しんだり、お笑いコンビ「パンチとロン毛」を結成したり。ゆるーい日常を過ごす2人の元にある日、天界からの使者が現れ、禁断のオファーが伝えられる。やがてそれは、神も仏も天使も悪魔が入り乱れる、まさかの地球滅亡の危機へと繋がっていく!?
Index
原作60分＋オリジナル30分
Q：原作者の中村光さんが映画のために長編を描いてくださったそうですね。
福田：元々映画にしたいというお話はあったのですが、宗教上の問題があまりにも多すぎるので、そこのスペシャリストでない僕がオリジナル脚本を書くのはちょっと難しいなと。しかも原作は１話完結ですしね。「中村先生が映画用に長編を描いてくださるのであれば、その映画化は出来ると思います」とプロデューサーにお伝えしました。それで実際に先生が描いてくださったので、「ではやりましょう！」と。
Q：映画化にあたり何かリクエストは出されましたか。
福田：リクエストを出すなんて、おこがましいです。先生に「こんなの描いてくれ」なんて絶対に言えません（笑）。先生が面白いことを描いてくだされば、それで大丈夫ですから。でもまさか戦隊モノを描いてくださるとは思っていませんでした。だいぶ僕の作風にマッチしたものを描いてくださいましたね。
『聖☆おにいさん THE MOVIE～ホーリーメンVS悪魔軍団～』©中村光／講談社 ©2024 映画「聖☆おにいさん」製作委員会
Q：映画にする際の脚色は監督が担当されていますが、アレンジしたところなどはありましたか。
福田：先生は登場人物をいっぱい出したかったらしく、梵天やミカエル、帝釈天などたくさん出した上で、「あとはもう福田さんがどうにでも料理してください！」と思って描かれたそうです。原作は登場人物がどんどん出てきてテンポもすごく良い、セリフを削った部分は多少ありますが、ほぼほぼ原作のまま脚本化しました。するとプロデューサーから「それだと尺が60分になってしまいます」と（笑）。だから後半30分は僕の完全なオリジナルです。もちろん先生には許可をいただいた上で追加したのですが、『ブラックナイトパレード』（22）では現場に遊びに来てくれた先生が、なぜか今回はいらっしゃらなかった。「先生、怒ってんのかな。俺のオリジナル部分大丈夫かな」とすごく不安だったのですが、初号試写をご覧いただいた後に「本当に面白かったです」と言ってくださいました。安心しましたね（笑）。
Q：東洋と西洋の神々がうまく混じっていて、“こう来たか”という面白さがありました。
福田：僕もそれは思いましたね。元々原作に登場していたキャラクターたちだったのですが、60分の間に豪快にガンガン出してくれたなという印象がありました。
Q：キャラクターと出演者に関しては、すごくアベンジャーズな感じもありました。
福田：プロデューサーもそう言っているんです。僕は単なるお笑いキャラとしか思っていないので、アベンジャーズと言われるとちょっと照れますね。タイトルの「THE MOVIE」もMARVELロゴっぽくなっていますしね。「これちょっとMARVELパクってんな」って、さっき気づきました。（笑）。
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