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「第3回新潟国際アニメーション映画祭」審査員・松本紀子プロデューサー 映画祭の面白さは人に会えること【CINEMORE ACADEMY vol.38】

「第3回新潟国際アニメーション映画祭」審査員・松本紀子プロデューサー 映画祭の面白さは人に会えること【CINEMORE ACADEMY vol.38】

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アニメーションは表現の増幅装置



Q:映画祭は人材育成を担っている部分もあります。若手クリエイターやアニメ業界を目指している人たちに何かアドバイスはありますか。


松本:今回は色々な教育プログラムも組まれているので、私も参加したいと思っています。そこに参加する良さって、自分と同じように学びたいと思っている仲間やライバルと出会えること。そういった人たちと情報共有をしたり、作品の感想を語り合うことができる。初めて会った人とそういう場を共有するのはすごく意味があること。アニメーション制作は共同作業になることが多いので、色んな人に会って意見の違いを実感することも、今後広い世界に出て大きな作品をやっていく上でも大切だと思います。


Q:アニメは子どもから大人まで幅広い層が楽しめて、子どもが映像作品に触れる初期段階の媒体でもあります。アニメーションの持つ力やその存在意義をどのようにお考えですか。


松本:アニメーションは表現の増幅装置みたいなところがあって、自分たちの描きたいものだけを抽出可能なメディアだと思います。子供にはそれぞれの年代の処理能力に合わせたアニメーションを楽しんでもらうことができるし、大人に向けては特定の要素、たとえばファンタジーな要素を増幅して、それをリアルに感じてもらうよう作ることもできる。そうやって表現の情報量と方向性を調整できるのがアニメーションなのではないかなと。アニメーションって一体なんだろうという話を最近はよくしていて、実はこの5日間ぐらいでやっと言語化できたんです(笑)。



『ボトルジョージ』©CHIMNEY TOWN


Q:様々なコマ撮り作品を手掛けてきましたが、今後はどのような展開をされていくのでしょうか。


松本:ドワーフのミッションは、世界中の人が楽しんでくれるものを作ること、と思っています。特にコマ撮りで。コマ撮りに限らず、アニメーションって作るのが大変なんです(笑)。こんな大変な思いで作っているのなら、観客は1人でも多い方がいい。また、日本が世界に出ていく上では、アニメーションはすごく強い武器になります。特にコマ撮りは世界でもやっている会社が少ないので、世界に出ていきやすかった。それが、私がコマ撮りを武器にしている理由の一つです。


プロデューサーとしてのミッションは、いかに面白いクリエイターを連れ出せるか、クリエイター同士をコネクトできるかということ。いつも同じ人で戦うのではなく、チーム編成をときには変えながら戦い方を変えて世界に出ていきたいと思っています。





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