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『片思い世界』土井裕泰監督 ジャンルを超えて描く“人間の何か”【Director’s Interview Vol.483】

『片思い世界』土井裕泰監督 ジャンルを超えて描く“人間の何か”【Director’s Interview Vol.483】

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持ち寄ったイメージで作る世界観



Q:世界観はどのようにして作られたのでしょうか。


土井:この物語が持つ独特な設定を論理的に理解するというより、とにかくこの3人が抱えている“切実さ”をどう違和感なく伝えていくのか、それを演出のメインテーマにしました。


世界観を決めるにあたっては、まずはメインスタッフで集まり、坂元さんのプロットを各々どう受け取ってイメージしたのかを持ち寄る、そこから始めていきました。僕のイメージを具現化してもらうというよりも、美術部や衣裳部、撮影部などの各スタッフがどうイメージしたのか、それを知りたかったんです。そうやって、美術の原田満生さんと佐久嶋依里さんが提案してくれた家のビジュアルイメージなどを手がかりにして少しずつ形にしていきました。


Q:そうして作っていく世界観は、坂元さんに都度共有されていたのでしょうか。


土井:連続ドラマでの坂元さんは、「役者がどう喋るのか」「どういう家に住んでいるのか」といった、実際に形になったものを見ながらその後の回を書いていくんです。そこからキャラクターの自然な動きが生まれてくるようなところがある。映画ではそれが出来ないので、「主人公はこういう家に住んでいます」「衣裳はこういう感じです」「こういうロケ地を考えています」と、準備しているものを坂元さんに逐次フィードバックしていきました。そうすると次の稿では、いろんなことが反映されて変わってきたりする。そんな風にやり取りをしながら、脚本と準備を同時進行で進めました。



『片思い世界』(C)2025『片思い世界』製作委員会


Q:駐車場を俯瞰で捉えたショットなど、印象的な構図がたくさんあります。カメラマンとはどのような話をされているのでしょうか。


土井:その駐車場の場面はとても長いシーンですが、基本的には長回しで、最初から最後まで全部通して撮影しています。車が到着してから人物が降りてまた乗り込むまでの一連の芝居を、全員を一枚のフレームに入れた状態で、切らずに見せることが重要なことだと考えました。あのカメラワークは、撮影の鎌苅くんと小林くんが提案してくれたものです。


今回はただリアルに切り取れば良いというのではない場面も多く、映像的なギミックが必要なときもあったのですが、なるべくVFXに頼らずにいきたいという希望もあったので、一つ一つの場面でイメージを持ち寄って、しっかり擦り合せをして撮影に臨みました。





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