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『夏の砂の上』玉田真也監督 戯曲の余白を映画で埋める面白さ【Director’s Interview Vol.501】

『夏の砂の上』玉田真也監督 戯曲の余白を映画で埋める面白さ【Director’s Interview Vol.501】

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オダギリジョーの存在感



Q:森山直太朗さんのキャスティングが意外で良かったです。どういった経緯で決まったのでしょうか。


玉田:森山さんは確かオダギリさんからの提案だったと思います。「この役に森山さん、どう思いますか」と言われて、僕もそのときは意外でしたが、森山さんの演技はドラマで観たことがあったんです。「うきわ ―友達以上、不倫未満―」(21 テレビ東京)という不倫もののドラマで、門脇麦さんが相手役でした。それを観ていたこともあり、役をやっている姿も想像できたので「森山さんいいな」とオファーしました。



『夏の砂の上』(C) 2025 映画『夏の砂の上』製作委員会


Q:オダギリさんが主演・プロデューサーとして役者陣を引っ張っていくような感じはあったのでしょうか。


玉田:現場ではあくまで俳優としている感じで、その場で何か仕切るみたいなことはなかったです。でも、オダギリさんがいることで、オダギリさんが座長の現場だと皆思いますし、存在しているだけで皆が協力的にいろいろやってくれる。オダギリさんの存在自体が大きかったですね。オダギリさんからいろいろ意見をもらいましたが、全然押し付けがましくなく、「違うと思ったら全然取り入れなくていいから」と。すごくありがたい距離感でした。


Q:映画監督としての仕事も増えてきていますが、今後はどのように活動されていくのでしょうか。


玉田:舞台と映画は両輪でやっていきたいですね。舞台は自分の中でも一番コアなもので、いろんなアイデアを試す実験場みたいな感覚でやっていますが、同時に頭の片隅では「これを映画にするにはどうしたらいいのかな」と常に思っています。この『夏の砂の上』もそうですが、演劇を翻案して映画にすることはこれからもやると思いますし、両方とも自由度が高い表現なのでどちらも大切にしていきたいと思います。




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監督/脚本:玉田真也

1986年、石川県出身。玉田企画主宰・作・演出。自身の劇団「玉田企画」のすべての作品で作・演出を担当。2019年に今泉力哉監督と共作した舞台「街の下で」を発表。2020年にテレビドラマ『JOKER×FACE』(フジテレビ)の脚本で、第8回市川森一脚本賞受賞。最新公演は、2025年に下北沢・小劇場B1にて上演された『地図にない』。監督を務めたその他の映画作品に、第31回東京国際映画祭「日本映画スプラッシュ部門」に出品された『あの日々の話』(2019)、又吉直樹の原作を映画化した『僕の好きな女の子』(2020)、三浦透子を主演に迎えた『そばかす』(2022)などがある。



取材・文:香田史生

CINEMOREの編集部員兼ライター。映画のめざめは『グーニーズ』と『インディ・ジョーンズ 魔宮の伝説』。最近のお気に入りは、黒澤明や小津安二郎など4Kデジタルリマスターのクラシック作品。


撮影:青木一成




『夏の砂の上』

7月4日(金)全国公開

配給:アスミック・エース

(C) 2025 映画『夏の砂の上』製作委員会

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