向かって左より平瀬謙太朗監督、関友太郎監督
『災 劇場版』関友太郎監督&平瀬謙太朗監督 ドラマから映画へ、確信をくれた『ガンダム ジークアクス』【Director’s Interview Vol.537】
確信をくれた『ガンダム ジークアクス』
Q:ドラマと比べて映画は物理的な情報量は減っているのに、見る側の解釈の余地や余白がすごくあると感じました。元がドラマだったと気づかないほど映画的でしたが、その実感はありますか。
関:ドラマの方は、ストーリーや各舞台の人々の物語をもう少し味わえると思います。それぞれの悩みを掘り下げるので、「こういう背景があったのか」「そんな辛い思いをしていたんだ」ということが見えてくる。一方で映画は、劇場の暗い環境で集中して見てもらえるので、ある程度の余白があってもいい。そこは攻めましたね。
平瀬:ドラマは毎週楽しみにしてもらう「間が空く」メディアですが、映画は「暗いところに閉じ込めてその時間ずっと見てもらう」メディア。同じ物語と映像を扱っていても、根本的な特性が全然違う。一つの物語を、それぞれの形にリビルドできていると思います。

『災 劇場版』©WOWOW
Q:ドラマを見続けてきた人が映画を見ると、どういう感想を持つのでしょうか?
平瀬:「あの話がない!」「あのキャラクターはどこに行ったの!?」という感想はあると思います(笑)。
関:よく言われるのは、香川さん演じる男の印象が違うこと。ドラマ版はある意味、奥に隠れながらも怖い人物になっていますが、映画版では彼の引力が作品の中心になっている。そこは大きく違いますね。
平瀬:編集を始まる前に、劇場版の『機動戦士Gundam GQuuuuuuX -Beginning-(以下、ジークアクス)』(25)を観たんです。あれもTVシリーズを映画用に再編集している作品ですが、TVシリーズの物語を頭からダイジェスト的に見せるのではなくて、まるでコラージュするように組み上がっていて面白かった。まさに同じ物語をメディアの特性に合わせて違う見せ方をしていたんです。それで「やっぱり出来るんだ。これをやればいいんだ!」と。だから関が最初に出してくれた荒編集を見た時も、「この先にちゃんと答えがある」と感じていました。『ジークアクス』のおかげで体感的に掴めていた感じがします。