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『災 劇場版』関友太郎監督&平瀬謙太朗監督 ドラマから映画へ、確信をくれた『ガンダム ジークアクス』【Director’s Interview Vol.537】

向かって左より平瀬謙太朗監督、関友太郎監督

『災 劇場版』関友太郎監督&平瀬謙太朗監督 ドラマから映画へ、確信をくれた『ガンダム ジークアクス』【Director’s Interview Vol.537】

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「手法がテーマを担う」というコンセプトのもと、新しい映画表現の開拓を目指してきた監督集団「5月」。これまでの彼らの作品は実験的性格を帯びた印象が強かったが、本作『災 劇場版』では一気にエンターテインメントに舵を切ったように感じられた。しかも彼らが標榜するコンセプトは全くブラさずに──。


本作は全6話からなるWOWOWのドラマを映画版として再編集、しかしそのような雰囲気は微塵も感じさせず、一つの映画として見事に仕上がっている。映画『災 劇場版』はいかにして作られたのか。「5月」のメンバーで本作を監督・脚本・編集した、関友太郎氏と平瀬謙太朗氏の二人に話を伺った。



『災 劇場版』あらすじ

家族や進路に悩む女子高生、ある過去を抱えた運送業の男、冴えないショッピングモールの清掃員と理容師、負債を抱えた旅館の支配人、平凡な主婦。ある日、彼らのささやかな日常が、なんの前触れもなく不可解な“災い”に襲われる。警察にはすべて自殺や事故として処理されるが、何かがおかしい。刑事の堂本だけが妙な気配を感じ取り、災いの真相に迫っていく。一方でその災いの周辺には、いつもある「男」が紛れ込んでいたー。


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どんな物語であれば見せ方を最大化できるか



Q:本作はWOWOWの全6話のドラマを再編集して映画にされたそうですが、ジャンルとしてサイコサスペンスを手掛けることになった経緯を教えてください。


平瀬:サイコサスペンスというのは結果論です。僕たちはいつも「物語」から映画をつくるのではなく、映画の「構造」や「映像手法」から発想して、「どんな物語ならば、その表現を最大化できるか」という逆の順番で作っています。今回の企画も、『刑事コロンボ』のようにドラマ自体が強い構造を持っていて、そこにどんな物語が入っても、面白くなるようなものを作ろうと考えました。毎回、ある一人の男が現れ、その男が「ヤバい」ということは視聴者しか知らず、映像の中の登場人物たちは全く気がつかない。視聴者だけが「近づいちゃダメ」とハラハラしますが、登場人物たちは気づかないまま、災いは起こっていく。その「構造」がまずあって、それから本作の物語やテーマが決まっていきました。そして、最後にジャンル名を付けるタイミングで「ホラーでもないし、普通のサスペンスでもないし…」と苦し紛れにつけたのが、「サイコサスペンス」だったということです。



『災 劇場版』©WOWOW


Q:災いを体現する「怪しい男」の着想はどこから来たのですか。


関:それは最初からありましたね。僕らが映像のアイデアを出していく中に、「バラバラの舞台、バラバラの主人公の話が続いていく中で、1人だけ同じ男が現れる」というものがありました。その男が現れた後には、そこで一つ事件が起こる。先ほど「コロンボ」の名前も出ましたが、このフォーマットであれば、舞台を変え続けてもどこにでもその男を出現させることができる。それによって、見ている人だけが分かる怖さが生まれていく。2話目以降は、その男が普通にしているだけで「怖い、近寄らないで」と思わせることが可能となる。そこがスタートでした。姿形を変えて現れる男というのは、その時点ですでに不気味ですから。


Q:連続ドラマのオーダーがあって、そこに企画を当てはめたのでしょうか。


平瀬:いえ、今回は逆でした。WOWOWさんからお声がけいただいたわけではなく、我々で企画を作り、香川照之さんに演じて頂くことまでセットにして、「香川さんとこういう作品を作るのはいかがでしょうか」と、連続ドラマのフォーマットで持ち込みました。自主的な活動から生まれています。




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