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『センチメンタル・バリュー』ヨアキム・トリアー監督 信頼し合える俳優たちとのコラボレーション【Director’s Interview Vol.538】
信頼し合える俳優たちとのコラボレーション
Q:ノーラ役はレナーテ・レインスヴェのために書かれたのですか。
トリアー:はい、最初から彼女をイメージしていました。本作を作る最初の動機ではっきりしていたのは、また彼女と一緒に仕事がしたいと思ったことです。前作『わたしは最悪。』をやって彼女をよく知ることができ、映画だけではなく人生やさまざまなことについて話し合うようになりました。そこでまた彼女と、今度は少し異なるキャラクターを作り上げたいと思うようになったのです。前作のユリヤよりも、もう少し成熟した感じのキャラクターです。彼女がとても幅広い役柄を演じることができるとわかっていたので、エキサイティングな探求になるだろうと思いました。ですから、脚本を書き始める以前に、最初に彼女にアイディアを話したのです。
Q:他の方のキャスティングはどうだったのでしょう?ステラン・スカルスガルドの役は彼をイメージしていましたか。
トリアー:はい、でも果たして彼が引き受けてくれるかどうかはわからなかったので、そこは慎重にアプローチをしました(笑)。彼と何度も会っていろいろなことを話し合った。で、ある時点で幸運なことに彼がイエスと言ってくれたのです。

『センチメンタル・バリュー』© 2025 MER FILM / EYE EYE PICTURES / LUMEN / MK PRODUCTIONS / ZENTROPA ENTERTAINMENTS5 APS / ZENTROPA SWEDEN AB / KOMPLIZEN FILM / BRITISH BROADCASTING CORPORATION / ARTE FRANCE CINÉMA / FILM I VÄST / OSLO FILM FUND / MEDIEFONDET ZEFYR / ZDF / ARTE
妹のアグネスを演じたインガの場合は、オーディションのプロセスを通して出会いました。ノルウェーは小さな国ですから、映画俳優というのはそれほど多くはいません。でもそれなら逆に新しい才能を発掘すればいい。彼女は舞台をやっていて、レナーテともずいぶん前に舞台で共演したことがありました。わたしにとってオーディションのプロセスというのは、単純に役に合った俳優を選ぶということではありません。人間同士の信頼の問題です。お互いがいかに信頼し合って、探求を共にできるか。そのためには時間をかけてその人をよく知ることが大切です。インガはとても率直で大胆で、アグネスというキャラクターについて腹を割って話し合うことができました。彼女の意見が、わたしとエスキルの脚本を変更させることもあったほどでした。とても深いレベルのコラボレーションをすることができたと思います。
Q:エル・ファニングが演じたレイチェルは紋切り型のハリウッド・スターとは異なりますが、それでもレイチェルをハリウッドの俳優にすることは重要でしたか。
トリアー:そうですね。ノーラとレイチェルを陰と陽のような関係にしたかったので、文化も地理的にもまったく異なることが重要でした。エルに演じてもらうことができて感謝しています。さらに個人的に、わたしにとってこの役がアメリカ人であることは大事でした。というのも、ヨーロッパとアメリカでは文化的な意味において映画は対照的である一方で、ヌーヴェル・ヴァーグがアメリカのギャング映画から影響を受け、そして今度はそこから影響を受けたアメリカン・ニューシネマが70年代に生まれた。その関係はとても興味深いものに映ります。直接的でなくても、そういったことを考えながらレイチェルの役柄を作りました。