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「東京アニメアワードフェスティバル2026」フェスティバルディレクター・西岡純一 未来を担う次世代のために【CINEMORE ACADEMY Vol.47】

「東京アニメアワードフェスティバル2026」フェスティバルディレクター・西岡純一 未来を担う次世代のために【CINEMORE ACADEMY Vol.47】

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AIの台頭が及ぼすもの



Q:最近のアニメーションの表現手法についてお聞かせください。やはりセルアニメは少なく、CGで描かれた2Dや3D、ストップモーションなどが主流なのでしょうか。


西岡:日本も同様ですが、世界には多種多様な手法が存在します。油絵や砂絵を使ったアニメーション、紙を切り抜くカットアウト手法、クレヨンや色鉛筆で紙に描いたような表現など様々です。面白いところでは、布に糸で刺繍を施し、そのステッチが動くように見せるアニメーションもありました。今回の長編部門ノミネート4作品を見ても、すべて手法が異なります。フルCG、手描き、カットアウト、そして手描きに2D/3DのCGなど複数の技法を混在させたものもあります。それぞれのクリエイターが自分にふさわしい手法を選択し、活用されているのは嬉しいことです。 



長編部門ノミネート作品


Q:いろんな手法がある一方で、冒頭ではAIのお話が出ましたが、今後AIはアニメ業界にどのような影響を及ぼしていくと思われますか。


西岡:AIが一概に悪いとは思いません。AIは既存の作品を学習して映像を作るため、外国のクリエイターなどからは、「AIが作るものは過去の寄せ集め、新しい表現はありません」という言葉をよく聞きます。ただ、宮崎駿監督は「通俗文化というのはバトンなんだ。先代からもらったものを自分なりに消化して、何か付け加えて次の世代に渡していくものだ」と言っていて、庵野秀明監督も「我々の作っているものは全て先人達のコピーでしかない」とインタビューで語っていたことがあります。過去に見たものを自分なりの形で表現しているという意味では、AIの仕組みも人間の創作活動と似ているのかもしれません。


AIの存在自体を否定するつもりはありませんが、現状では「絵は凄まじく綺麗だけれど、話が全く面白くない」「演出のテンポに乗れない」「気持ちが盛り上がらない」といった作品にしか出会えませんでした。しかし、AIの進化のスピードを見ていると、1〜2年もすればAI製とは気づかないほどの素晴らしい傑作が生み出される時代が来るかもしれません。今はまだ様子を見るしかないですね。人間の労力を極力省いた作品でお金が稼げるようになってしまったら、これまで大勢のスタッフが懸命にアニメーションを作ってきた意味はどうなるのだろうと。そう思う時代が来てしまうかもしれません。


すでにアニメ業界内でも、部分的に動画作業にAIを導入しようとする動きや、企画のアイデア出しにAIを活用する試みは数多く始まっています。それでも、人間が魂を込めることで生み出された、AIにはできない作品だけが、人の心を動かすと信じています。そう信じないと、このような映画祭は出来ないと思います。





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