アニメーションの未来を担う子供たちへ
Q:他にもTAAFでは、子供向けのプログラムも多数用意されているそうですね。
西岡:これは先代のディレクターも言っていたことですが、「映画祭には、将来アニメーション業界を目指してほしい」「アニメの楽しさを知ってほしい」という人材育成への強い思いが根底にあります。若い人たちにできるだけたくさん来てもらい、「アニメは面白い」と感じてもらえるようなプログラムを企画しています。
もちろんワークショップやシンポジウムも実施しますが、子供向けの企画として上映会も行います。今年はNHKでの放送をきっかけに話題になった、やなせたかし先生に焦点を当て、『やさしいライオン』(70)と『チリンの鈴』(78)を上映します。小学生以下の子供たちは大人1人の入場者に対して3人まで無料で鑑賞できるようにしていますので、ぜひ足を運んでほしいですね。

『チリンの鈴』©︎1978 SANRIO CO., LTD. APPR. NO. G660169
アニメの上映会というと、どうしても50〜60代くらいの年齢層の観客が多くなりがちなのですが、私たちはもっと若い人たちにアニメの楽しさを知ってほしいと願っています。実際にワークショップをやってみると、参加した子供たちはみな「楽しい」と目を輝かせてくれている。そういった機会を増やすために、現在は8月にもワークショップを開催しています。
Q:今はスマホでアニメーションを作っている小学生もいるようです。
西岡:そうなんです。小学生でもアニメーションが作れる時代が来ましたね。色々なツールが手に入るようになりましたから。「ああ、時代が変わったな」と(笑)。子供の想像力と創造力は侮れないですね。
Q:最後に観客の皆さんへメッセージをお願いします。
西岡:今回も世界中から見応えのある素晴らしい作品が多数集まりました。パソコンやスマートフォンではなく、ぜひ劇場の大きなスクリーンで観てほしいです。スクリーンで観ると、作品の見え方が全く変わってきます。また、たまたま隣の席に監督やスタッフが座って観ているかもしれないし、そこから交流が生まれる可能性もあります。リアルな場で人と出会うことには計り知れない意味がありますので、映画祭開催中の4日間はぜひ池袋の会場へお越しください。

TAAF2026 フェスティバルディレクター:西岡純一
1960年、熊本県生まれ。九州大学工学部を卒業後、外資系石油会社で勤務。1999年スタジオジブリへ入社し、広報・宣伝業務に携わる。2011年から徳間記念アニメーション文化財団事務局長、2017年より広報部部長を務めた。2023年夏より執行役員となり、海外プロモーション、広報、学芸を担当した。徳間記念アニメーション文化財団評議員。2025年10月より広報・学芸担当フェロー。3月開催の東京アニメアワードフェスティバル2026では、フェスティバル・ディレクターを務める。
取材・文: 香田史生
CINEMOREの編集部員兼ライター。映画のめざめは『グーニーズ』と『インディ・ジョーンズ 魔宮の伝説』。最近のお気に入りは、黒澤明や小津安二郎など4Kデジタルリマスターのクラシック作品。
撮影:青木一成
東京アニメアワードフェスティバル 2026(TAAF2026)
2026年3月13日(金)〜3月16日(月)
会場:東京・池袋
主催:東京アニメアワードフェスティバル実行委員会、一般社団法人日本動画協会
共催:東京都
事務局:東京アニメアワードフェスティバル実行委員会事務局(一般社団法人日本動画協会内)
TAAF 2026公式サイト: https://animefestival.jp/ja/
TAAF 2026公式X:https://x.com/TAAF_official