2026年3月13日(金)~3月16日(月)の4日間、「東京アニメアワードフェスティバル 2026(TAAF2026)」が東京・池袋にて開催。「東京が、アニメーションのハブになる。」を合言葉に、日本国内で未興行の世界のアニメーション作品を対象にした「コンペティション部門」、日本国内で発表されたアニメーション作品を対象とした「アニメ オブ ザ イヤー部門」、アニメーション業界に貢献された方々を顕彰し、先人達の歴史、技術、生き様を伝える「アニメ功労部門」を中心に、その他招待作品の上映やシンポジウム、子ども向けのワークショップなどが実施される。
コンペティション部門に応募された作品の潮流や、世界と日本の意識の違い、映画祭のプログラム内容から、AIがアニメ制作に及ぼす影響まで。元スタジオジブリの広報部長でTAAF2026のフェスティバルディレクターである西岡純一氏に、多岐にわたり話を伺った。
Index
作品応募は世界中から1,000本以上!
Q:西岡さんはTAAFにはいつ頃から関わっているのでしょうか。
西岡:以前フェスティバルディレクターを務めていた竹内孝次さんのアシスタントのような形で、2年ほど参加していました。竹内さんは長年フェスティバルディレクターを務められており、業界でも非常に有名で、テレコム・アニメーションフィルムの社長も務められていました。過去には日本アニメーションで宮崎駿監督や高畑勲監督とともに「母をたずねて三千里」(76)や「未来少年コナン」(78)などを作られた方です。その竹内さんが昨年の夏に引退されて、私が代わりに入ることになりました。
私は竹内さんから目を付けられていたんです(笑)。というのも、フェスティバルディレクターという仕事は、単なるアニメオタクでは務まりません。個人の趣味嗜好が強く出過ぎたり、特定のジャンルしか評価しないようではダメ。私は昔のアニメ、深夜アニメ、アート系アニメと様々なジャンルのアニメーションを見てきましたし、過去には広報として宮崎・高畑のもとで仕事をしていた経験もあります。さらに大きかったのは、20年ほど前から「ジブリ美術館ライブラリー」活動で、海外の優れたアニメーションを日本に紹介する仕事に携わっていたことですね。そういった経緯から適任だと評価していただき、今回からディレクターに指名されたのではと思います。
Q:フェスティバルディレクターとして、実際にコンペティションの応募作品をご覧になって、入選作品等を決められているのでしょうか。
西岡:そうですね。今回もコンペ担当者の世界中のアニメーションスタジオへの熱心な声掛けと折衝のおかげで、長編部門は39本、短編部門には997本の応募がありました。短編については一次選考委員が8名いて、各作品を2名1組で観ることになります。1組あたり250本くらいを視聴して、優れた作品をピックアップしてもらい、その中から最終的に選んでいく作業を一緒に行っています。長編の39本に関しても、4人の選考委員とともに決定しています。
この作業が本当に大変なんです。応募段階では英語字幕のみの作品がほとんど、字幕を読むだけで一苦労です。世界中から作品が集まるため、言語によっては音声を聞いても全く理解できず、英語字幕だけが頼りになることも多い。最近はGoogle翻訳などのツールが出てきたため少し楽になりましたが、それでも画面をじっと見つめながら、意味を理解するのに苦労しています。