CMと映画、作り方の違い
Q:13分半の作品ですが、想定通りの長さでしたか。
武井:おおよそ13分半ぐらいになるだろうとは考えていました。無駄がない作品への憧れがあって、短ければ短いほど良いだろうと思って脚本を書いたのですが、出来上がった作品を改めて観ると、削ぎ落としすぎたかなと。
Q:本編集で使わなかった素材などはあったのでしょうか。
武井:スクリーンプロセスの特性上、事前に背景を撮って画角も決めていたので、最低限の撮影しかしませんでした。そのため、撮影した素材はほとんど使用しています。映画撮影はもう少しカジュアルにやるものかと思っていたのですが、本作に関してはCMの画コンテを書く時と同じように描いていきました。
ドラゴン:ロケだったら状況に合わせて柔軟に進めていけると思いますが、バーチャルプロダクションだからこそ、細かい指示出しや事前のルール決めが必要だったんですね。

SSFF & ASIA プロデューサー:ドラゴン(阿部龍太郎)
武井:スクリーンプロセスは、まさに事前準備が物を言う世界ですね。事前に決めてから役者さんをお迎えして撮影することで、演技に集中していただけるというメリットはあるのですが…。編集する側としては素材が多いほど編集が楽しくなる部分もあるので、悩ましいところですね。
Q:CMと映画の制作にはどのような違いがありましたか。CMでの経験が活かされた部分などはありましたか。
武井:もちろん活かされた部分もあったのですが、違う部分の方が多かったですね。特に、本読みがあったのは新鮮でした。CMの現場はその場で画コンテを見せながら進めていくことが多いのですが、映画は本読みから始まるので、役者さんとの一体感を強く感じました。制作期間も半年ぐらいあり、長期間での映像制作は初めてだったので貴重な経験になりました。
Q:初めての本読みはいかがでしたか。
武井:監督の私が誰よりも本読みに慣れていなかったので、素人感丸出しで「すごい、こんなことやるんだ…!」と思いながらやっていました(笑)。
ドラゴン:逆に、映画の現場からCM制作に持ち帰れそうな手法などはありましたか。
武井:作り方がかなり違うので、難しいですね…。ただ、CMのディレクションをする時にも映画と同じくらい演技に尺を割けたら幸せだろうなと思いました。
ドラゴン:『道子、未知満ちて。』を作っていて、幸せだったということですか。
武井:すごく幸せでした。
ドラゴン:満ちてたんだね(笑)。