『磯畑家の十年 二年目』後閑広監督 一年にー本作る短編映画、十年後には全てを繋げて長編に at SSFF & ASIA 2026【Director’s Interview Vol.564】
目指すのは、再放送のドラマ
Q:本作では、過去と現在がシームレスに交錯するシーンがありますが、どのように着想されたのでしょうか。
後閑:脚本上は、通常の回想シーンだったんです。シンプルで良い脚本だったのですが、少し遊んでみようかと。十年間かけて現在形の物語を撮るのなら、回想で過去に戻るのではなく、別の表現をしてみたかった。そこで、何気ない会話の中でふと過去を思い出すような、現在と過去が交錯していくシーンを作っていきました。現在形のまま、過去を表現したかったんです。
Q:夫婦の会話が飛び交うシーンが魅力的ですが、本読みは入念にされたのでしょうか。
後閑:本読みは一日だけやりました。前作で存在が匂わされていた妻が、本作で初めて出演することになったんです。そろそろ出してもいいんじゃないかなと(笑)。だから、セリフを詰めていくというよりも、長年連れ添っている夫婦だったらどんな話し方をするのか。夫婦役として、お互いの空気感を理解してもらうために時間を使いました。

Q:本作を観ると、前作はもちろん次回作も気になってどんどん観たくなります。
後閑:子供の頃、家に帰ったらドラマの再放送がやっていましたよね。当時は配信もなく、観返すことができないから、前後は想像するしかない。でも、途中から観ても面白かった。この企画でも、そういうことができたらいいなと。
Q:後閑監督は、普段はドラマや映画の監督をされているのでしょうか。
後閑:そうですね。最初は、映画の現場にメイキングとして参加していました。自分でも撮るようになって、ドラマや映画の監督をすることが増えてきましたね。
Q:本作から監督やスタッフが変わったことにより、画の見え方も変わりましたか。
後閑:撮影監督を含めてスタッフが数名変わっているので、画のルックも多少変わっていると思います。次回作は同じスタッフでやる予定なのですが、今後も撮影チームが変わることで作品の雰囲気が変わっていく可能性はありますね。
Q:『ハリー・ポッターシリーズ』(01~11)みたいですね。最初は子供向けの明るいトーンだったのが、アルフォンソ・キュアロン監督に変わったことで、暗めのカッコいいトーンになっていくような。この映画も、今後の変化が楽しみです。
後閑:ジャンルも変わって、急にホラーが始まることもあるかもしれない(笑)。そういう面も含めて、楽しめる十年間を作っていきたいです。