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ハロウィン間近!ユニバーサル・モンスターになろう【川原瑞丸のCINEMONOLOGUE Vol.12】

ハロウィン間近!ユニバーサル・モンスターになろう【川原瑞丸のCINEMONOLOGUE Vol.12】

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稲妻メッシュは花嫁の証





 『透明人間』と同じくジェイムズ・ホエール監督作で、ユニバーサル・モンスターズのアイコンである『フランケンシュタイン』。メアリー・シェリーの原作小説とは関係なしに続編がどんどん作られてシリーズ化されたが、特に二作目にあたる『フランケンシュタインの花嫁』が好きだ。エルザ・ランチェスターの演じた怪物の花嫁は、ボリス・カーロフが分厚いメイクで演じた有名な怪物に次いで、強烈な印象を残した。原作ではフランケンシュタイン博士によって生み出された怪物が、その孤独さゆえに自分のパートナーとなる異性の怪物を作ってくれと懇願するが、拒絶される。映画版における花嫁のキャラクターはそこから膨らまされたようだ。


 透明人間に比べれば多少メイクアップが必要だが、それでも人間として原型をたもったまま、少し変わった服装程度の規模で仮装できる。感電で爆発したような大きなヘアスタイルは必ずしも再現しなくていいが、その代わりに黒髪の中に走る稲妻のような白いメッシュは不可欠。他のモンスター同様、この花嫁も様々なメディアでパロディされてきたが、髪型はいろいろでも必ず白いメッシュは入れられている。これが花嫁のトレードマークなのだ。


 『フランケンシュタインの花嫁』は、原作者メアリー・シェリーと夫パーシー・シェリー、そして詩人のバイロン卿が集う場面から始まる。これはシェリー夫人が「フランケンシュタイン」を書くきっかけとなったイベント「ディオダディ荘の怪奇談義」の再現であり、映画はシェリーが物語(つまり前作の映画)を語り終えたあと、という形で始まる。夫たちから感想を受けた夫人は「物語には続きがある」と言い出し(!)、本編『フランケンシュタインの花嫁』を語り始める、というわけだ。役として原作者を登場させてその口から原作にない続きを語らせるというのもすごい話だ。このシェリー夫人役は、本編の花嫁役と同じエルザ・ランチェスター。シェリー夫人自身を怪物の花嫁とリンクさせるというアイデアもおもしろい。確かに原作には無い勝手な創作かもしれないが、これによってフランケンシュタインの怪物は映画史で不動の地位を得るし、かえって原作はより伝説化することになる。



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