インタビューはリサーチ次第
Q:出演者の皆さんがパーソナルで深い部分まで語ってくれています。どのようにして話を引き出したのでしょうか。
相原:基本的にはリサーチに尽きます。インタビューする相手に対して入念なリサーチをしなければ、表面的なエピソードを聞き出すだけで終わってしまう。雑誌に載っているような既出の話をなぞっても映画にする意味がないですから。どれだけ深くリサーチするかによって会話の質が変わってきます。相手がポロッと何かを言った時にこちらが反応できれば、「この人はちゃんと知ってくれているんだ」と感じてくれて、さらに深い話を引き出すことができる。
三浦友和さんのお話を聞く前には、三浦さんの俳優としてのターニングポイントとなった映画『台風クラブ』をもう一度見直してから臨みました。『台風クラブ』は清志郎さんとは直接関係ないかもしれませんが、そのくらいやらないと対峙できないですよね。

『愛し合ってるかい? 忌野清志郎が教えてくれた』©2026 Kiyoshiro Movie Project
Q:ジャーナリストの金平茂紀さんが出演されていることに少し驚きました。どういったアプローチでインタビューされたのでしょうか。
相原:清志郎さんのアルバム「COVERS」に象徴されるような「社会性」を掘り下げるには、ミュージシャンに語ってもらうよりも、ジャーナリストである金平さんに話を伺う方が良いだろうと。「COVERS」が発売中止騒動になった際に、TBSのニュース番組で金平さんが特集として取り上げているんです。アルバム「冬の十字架」が出た時にも取材をされていますし、清志郎さんと社会との関わりという点においては、やっぱり金平さんが最適だなと。
Q:制作プロセスとしては、まずリサーチ期間があって、ある程度ベースができた上でインタビュー収録を行い、そこから編集していくという流れだったのでしょうか。制作にはどれくらいの期間がかかりましたか。
相原:お話をいただいてから完成まで4年ですね。『トノバン』の時も同じく4年かかりました。最初に全体スケジュールを提示して進めているので、オーバーして4年になったわけではなく、実際それくらいかかるということです。ただし、撮影自体は2ヶ月程度でした。その後、膨大なインタビュー素材をすべて文字起こししてもらい、使いたい箇所をピックアップして編集マンに繋いでもらうという作業を行なっています。