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時代と家族の関係性の中に立ち上がる物語。菊地健雄監督『体操しようよ』【Director’s Interview Vol.11】

時代と家族の関係性の中に立ち上がる物語。菊地健雄監督『体操しようよ』【Director’s Interview Vol.11】


「誰もが迎える転機」を考えてもらうきっかけに



Q:最後に、『体操しようよ』のわかりやすい観客層は、道太郎と近い年齢で、定年退職を控えている、あるいは引退したばかりで第二の人生をどう生きるかと考えている世代になるかと思いますが、それ以外にこういう人たち、こういう世代にも見てほしい、届くといいなという対象はどのあたりでしょうか?


菊地:僕自身にとっては、自分の親世代に向けたエールという気持ちがまずあります。自分から見た親世代のあり方を描いていますが、普段親と離れて生活をする20代30代も多いでしょうから、そういう世代にも見ていただいて、親を思い出すきっかけにしてもらえたら嬉しいですね。


 また、そうした若い世代でもいずれは歳をとってそういう転機を迎えるので、そこに向かうために今何ができるのかを考えられる映画になったかなと思います。今まさにシニアになっている方にとって、平均寿命が80歳を超えている中、60歳で定年しても20年以上という年月は長いですし、その時期をどう過ごせばより豊かな人生を送れるのか考えるきっかけになればいいなと思います。


 道太郎は映画の中で大きな答えを得るわけではないですが、前を向いて一歩踏み出すということが大事ですし、いろんな世代の方に見ていただいてその一歩を踏み出すきっかけになったらいいなと願っています。 



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監督:菊地健雄

1978年、栃木県足利市生まれ。40歳。明治大学政治経済学部卒。映画美学校第5期高等科在籍中に、瀬々敬久監督に誘われ助監督になる。12年の助監督時代、参加作品は『ヘヴンズ ストーリー』(10瀬々監督)、『かぞくのくに』(12ヤン・ヨンヒ監督)、『舟を編む』(13石井裕也監督)、『岸辺の旅』(15黒沢清監督)『64-ロクヨン-』(16瀬々監督)など多数。2015年、故郷を舞台にしたオリジナル脚本の『ディアーディアー』で長編映画監督デビュー。同作は第39回モントリオール世界映画祭に正式出品され、第16回ニッポン・コネクションではニッポン・ヴィジョンズ審査員賞を受賞した。長編2作目の『ハローグッバイ』は第29回東京国際映画祭日本映画スプラッシュ部門正式出品。 『望郷』では湊かなえ原作を映画化、2017年はジャンルの違った良作を連続公開し、第9回TAMA映画賞の最優秀新進監督賞を受賞した。その他の監督作品として、『嘘つきみーくんと壊れたまーちゃん』(10瀬田なつき監督)のスピンオフ企画『episode.0 回遊と誘拐』、菊地凛子と川瀬陽太主演のWEB番組「マチビト~神楽坂とお酒のハナシ~」、Amazonプライムビデオ「東京アリス」など。作家性と商業性を兼ね備えた、いま最も注目の若手監督である。



取材・文:高森郁哉(たかもり いくや)

フリーランスのライター、英日翻訳者。主にウェブ媒体で映画評やコラムの寄稿、ニュース記事の翻訳を行う。訳書に『「スター・ウォーズ」を科学する―徹底検証! フォースの正体から銀河間旅行まで』(マーク・ブレイク&ジョン・チェイス著、化学同人刊)ほか。






『体操しようよ』

11月9日より全国ロードショー

(c)2018『体操しようよ』製作委員会

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