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怪人たちのクリスマス『バットマン リターンズ』【川原瑞丸のCINEMONOLOGUE Vol.15】

怪人たちのクリスマス『バットマン リターンズ』【川原瑞丸のCINEMONOLOGUE Vol.15】

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なんと言っても怪物紳士ペンギン



 ティム・バートン作品でクリスマスものと言えば、ストップモーションアニメ映画『ナイトメアー・ビフォア・クリスマス』やジョニー・デップの出世作『シザーハンズ』の印象があるかもしれないけれど、『バットマン リターンズ』も忘れることはできない。バートンのメジャーデビュー作『バットマン』の一応の続編に当たり、バートン映画では珍しい2作目である。前作でバットマンと宿敵ジョーカーのキャラクターを綺麗に映像化した代わりに、今度はキャラクターたちを自分の色彩で描き、異形趣味を炸裂させているのが特徴。


 なにより悪役ペンギン男のキャラクターが素晴らしい。物語は名家の屋敷で赤ん坊の産声が上がるところから始まり、「ピーウィー・ハーマン」ことポール・ルーベンス扮する父親が、逃げ帰る医者と入れ替わりに部屋に入って悲鳴を上げる。生まれた赤ん坊は醜く凶暴で、クリスマスに下水道に捨てられてしまう。下水道は閉園した動物園のプールに通じており、取り残されたペンギンたちが赤ん坊を見つける……。最高のオープニングだ。


 愛を知らずに育ち、憎しみに満ちた怪人に成長したペンギン男は、ダニー・デヴィートが分厚いメイクで演じる。くちばしのように尖った鼻、まん丸の体躯、水かき付きの手は強烈な印象。シルクハットにコウモリ傘、モノクルが加われば怪物紳士ペンギンの出来上がりである。原作コミックや旧TVシリーズでもおなじみだったペンギン男の特徴が、最大限バートン的に誇張され、クリスマスを舞台にサーカス・ギャングが暴れ、おもちゃのようなミサイルを背負った本物のペンギンたちがよちよち進軍するといったヴィジュアルは、まるで不気味な遊園地のようで楽しく、暗く恐ろしい中にかわいらしさが潜む、バートン作品の魅力に満ちている。



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