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怪人たちのクリスマス『バットマン リターンズ』【川原瑞丸のCINEMONOLOGUE Vol.15】

怪人たちのクリスマス『バットマン リターンズ』【川原瑞丸のCINEMONOLOGUE Vol.15】


もうひとりの怪人、マックス・シュレック





 3人の怪人たちによるカオスなクリスマスが描かれるわけだが、もうひとり怪人と呼ぶべき人物がいる。クリストファー・ウォーケン扮する実業家マックス・シュレックである。表向きにはサンタ・クロースに喩えられるほどの街の名士だが、その正体は、哀れなセリーナ・カイルをビルの窓から突き落とし、ペンギンを市長に推して街を牛耳ろうとする悪党である。


 シュレックのキャラクターは、コミックなどには登場しないこの映画独自のキャラクターだが、「マックス・シュレック」というのはドイツの吸血鬼映画『ノスフェラトゥ』で吸血鬼を演じた俳優の名前。シュレックはドイツ語で「恐怖」という意味に当たるのだが、それが本名だったというのがすごい。


 ゴッサムのシュレックは仮面を被ってるわけでもなければ、独特の風貌をしているわけでもない、素顔のままの普通の人間だが、そんな彼が怪物の代名詞のような名前をつけられた、もっとも凶悪な悪役だというのがイジワルでおもしろい。地元の名士としてサンタ・クロースに喩えられたシュレックは、まさにこの怪人たちのクリスマスにおいてサンタ、即ちメイン・ヴィランなのである。


 そういうわけで、アメコミ映画、バットマン映画でありながらもティム・バートンの個人的作品としての色も濃い『バットマン リターンズ』を、クリスマスの一本に選んでみてはいかがだろうか。年が明けて2019年は、バットマン誕生からちょうど80周年のバットマン・イヤーになるしね。


 

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イラスト・文:川原瑞丸

1991年生まれ。イラストレーター。雑誌や書籍の装画・挿絵のほかに映画や本のイラストコラムなど。「SPUR」(集英社)で新作映画レビュー連載中。 

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