2018年6月から新宿武蔵野館他で公開されるや、その美しくも儚い世界観が口コミで話題になり、新宿武蔵野館では9週間にわたるロングランを記録した映画『少女邂逅』。この度ついにDVD&Blu-rayが1月16日にリリースされる。弱冠24歳にしてこの映画を撮り上げた、枝優花監督に話を聞いた。
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ただの映画好きから撮る側へ
Q:商業映画として映画を作るのは、これが初めてなんですね。
枝:商業映画と思われることが多いですが、自主制作映画です。
Q:まだ自主制作だけど、劇場で配給できたということですかね。
枝:そういう感じですね。
Q:そもそも、この映画を作ることになった経緯を教えてください。
枝:18歳のときにこの脚本を書いていたんですが、当時はただ映画が好きだっただけなので、撮り方も何も分からなかったんです。それで、大学の映画サークルに入りました。そこで先輩たちにその脚本を見せたら、「これ、ちゃんと撮ったほうがいいよ。」って言われたんです。それはつまり「この脚本を今撮ると、やりたいことは何もできないと思うよ。」ということを意味していました。
確かにそのとおりだなと思い、その脚本はちょっと寝かせておいて、その間に自分に足りないもの吸収していきました。商業映画の現場で助監督をやり始め、メイキングをやったり、自分でカメラを回してみたり、配給の手伝いをしたりと、映画製作に必要な技術や知識、そして人脈を培っていったんです。また、別の脚本で4~50分ぐらいの短編も撮ってみたりしました。
そうこうしているうちに、たまたま、MOOSIC LAB(ムージック・ラボ)っていう映画の企画募集があることを教えてもらったんです。しかも調べたら、撮ったら劇場で公開してもらえるっていう!配給を手伝っていた時に、地方の映画館に片っ端から電話をかけて映画の売り込みをしていたので、撮った映画を劇場でかけてもらえることがどれだけ大変かっていうことを、身をもって体験していました。なので、劇場でかけてもらえる事自体に、とても驚きました。
早速、寝かせていたその脚本を持って行ったら、そこから話がどんどん進んでいったんです。その1週間後に音楽をやってくださる水本夏絵さんに会う事になり、「もう映画撮るぞ!」みたいになってしまい。事が先に決まって、それから追っかけでうわーっと準備したみたいな感じでした。
Q:そこから実際に映画製作が始まるわけですが、自主制作とはいえ、プロの役者の方々も出ています。予算も確保されていたのでしょうか。
予算はその時は自分が5年間貯めていたお金と、クラウドファンディングで集めました。その時は、8割くらい出来ている脚本と水本夏絵がやることしか決まってなかったので、同時にオーディションも開催して主演の二人(保紫萌香・モトーラ世理奈)を決めました。この二人が決まると、ロケ地が協力してくれることが決まったりと、スタッフも集まり、いろんなことが少しずつスムーズになってきたんです。ちなみに撮影はすべて、私の地元の高崎で行い、高校も母校を使わせてもらいました。